横浜放送局

2007年12月22日 1時20分更新

いじめた子の親に賠償命令


7年前、川崎市の小学生の女の子が中国人の父親がいることなどを理由に2人の同級生からいじめを受けたとして被害者側がいじめた子の親を訴えた裁判で、裁判所は21日、加害者側の両親にあわせて100万円の損害賠償を支払うよう命じました。

この裁判は川崎市多摩区の小学校に通っていた中国人を父親に持つ当時3年生の女の子が、2人の同級生から「中国人だ」とからかわれたり、けられたりするいじめをおよそ1年間にわたって受けたとして2人の同級生の両親に対して740万円の損害賠償を求めたものです。
判決で横浜地方裁判所川崎支部の駒谷孝雄裁判長は、「心と体に耐え難い苦痛を与える嫌がらせが多くの児童によって11か月間にわたって執ようにくりかえされた」と訴えられた2人を含む多くの同級生がいじめに加わったことを認めました。
その上で、2人の同級生の両親に対し、あわせて100万円を支払うよう命じました。
判決について女の子の母親は「いじめの事実が認められたことは大きな成果です。娘の心の傷はまだ消えてはいませんがこの判決で前向きになってほしいです」と話していました。
被告側の代理人は、「判決内容を精査し、控訴するかどうか対応を決めたい」というコメントを出しました。
また川崎市教育委員会は「教育委員会としては3年前にいじめがあった事実をみとめ、児童と両親に謝罪した。今後も誠実に対処していきたい」と話しています。
いじめを受けた子どもは小学校を転校した後、今は中学校に通っていますが、時折夢でうなされるなど心の傷が残っているということです。