FC琉球総監督に就任し、記者会見したトルシエ氏=2007年12月19日午後2時52分、三森輝久撮影
日本フットボールリーグ(JFL)のFC琉球総監督に就任するフィリップ・トルシエ氏(52)=元日本代表監督=の会見が19日、那覇市内であった。しかし、球団側は契約内容の説明ができず、同氏もチーム作りの方針を明らかにしないまま会見は約1時間で終わった。
沖縄の「かりゆしウエア」を着ておどけながら登場したトルシエ氏は「これまでのサッカーと別の道があると思っていた時、沖縄球団から大構想を持ちかけられた。全霊をかけて打ち込みたい」と述べた。しかし、大構想の内容は「壮大な夢、ロマンだ」と抽象的な答えに終始した。総監督については「私は車を作る役割。ドライバーが監督。私がチームを指導することもあるだろう」と述べた。
球団側は「来季から3年以内のJ2昇格、5年以内のJ1昇格」を公約にしているが、今季はJFL17位(18チーム中)。Jリーグ入りについてトルシエ氏は「楽な仕事ではないが、強じんな決意がある」と話した。【倉岡一樹】
◇対応は迷走…関係者は「どうなるのか……」
球団を運営する琉球スポーツキングダムの対応は迷走した。野口必勝・代表取締役は「契約金については前に進んでいない」と言い残し、会見場を立ち去った。また、同社広報は、総監督の役割について「トルシエ氏のために来季新たに作られるポスト。監督を決める以外は分からない」と話すだけだった。
会見に同席し、当初は笑顔だった沖縄県サッカー協会の上地義徳専務理事も「どうなるのか……」と不安そうな表情を浮かべた。