大人の恋の物語。
テーマ:恋愛ある友人の話。
これは実際にあった話で、とても残酷です。
A子という彼女とKという彼氏がいました。
二人は約2年交際し、最近決別したそうです。
A子はタレント業をしていて、Kは編集兼カメラマンをこなすビジネスマンでした。
A子は自分の写真を撮ってもらったことをきっかけにKに恋をし
またKもA子の愛らしさ、外見、すべてに惚れこんでいきました。
自然とくっついた二人は、すでに試練を目の当たり。
それは、Kが結婚していたということ……。
それでも二人は離れられずに、毎日一緒に時を重ねて行くのでした。
A子が家庭を持つKに恋をしたことは、あまり深く考えていない理由がありました。
なぜならそこには冷めきった夫婦関係が存在していたから。
Kは結婚して10年になる妻と猫3匹の5人暮らし。
しかし、当分子供には恵まれず、ほとんどの手段も実らず
残されたものは二人の関係のみ。
そういう営みもいつしか消えていったとか・・・・・・。
そんな平凡な生活を送るKにとって、A子の存在は生活を一変させ
かけがえのない人へと変わっていきました。
A子という女の子への愛情は限りなくそそがれ、二人はいづれ結婚を夢見るように。
旅行、映画、ドライブ、カフェ、・・・・・・二人はただただ時間を楽しみました。
手をつなぎ、抱き合い、笑いあって、思いやる・・・・・・どこから見ても純愛と心底愛し合ってる恋人たち。
A子もこれ以上ない幸せを実感し、通常の生活でさえ最高の幸せと感じる毎日でした。
ところがある日、A子はKの子供を妊娠しました。
が、しかし
間もなく流産。
忙しすぎた生活に耐えられなかったのと、
なかなか離婚が成立されないKに苛立ちとストレスを抱えていたのかもしれません。
流産をしてしまった二人は
一緒に悲しみ、結婚後にもう一度頑張ろう・・・と誓い合ったのです。
そして、Kも妻にきちんと離婚を申し出たのです。
それから半年が経過したとき、
まだ離婚は成立されず、A子の心の中にはフラストレーションがたまりつつありました。
耐えに耐えきれなくなったA子は、
Kに本気で離婚する気があるのか問い詰めることにしました。
するとKは
「もちろん、A子以外に考えられないから、ちゃんとする待ってて」と。
それでもA子は彼を疑わず、ただ彼を愛し、仕事に励む毎日でした。
やがてA子は2度目の妊娠が発覚しました。
今度こそは産みたい・・・そう願いながらKにそのことを告げました。
「産んでいいよ」
ところが、A子はもともと体が弱く、体も細いため、胎児を維持するほど
丈夫ではなかったのです。
数週間で胎児は天へと旅立って行きました。。。
A子は深く傷つき、そして泣きました。
あとは彼を信じて待つだけ。
一方、Kは除徐に仕事が忙しくなり、会う時間も短縮されていきました。
もちろんA子と会う時間も週2から1に・・・
週1から2週に1に・・・・・・。
A子は結婚できない不満が募り、Kに別れを切り出しました。
するとKは
「いやだ。A子とは別れたくない」
A子は悩みました。
体を傷つけ、心を痛め、これでいいのかと。
「なら、1か月時間をあげるから、じっくり考えて。1か月後にまた電話するから」
1か月後のその日がやってきました。
Kが電話に出ません。
何度かけても電話に出ません。
おかしい・・・・・・
本当なら会う約束なのに。
感情的になったA子は、彼の自宅へ電話することに・・・
「もしもし」
「もしもし、どちら様?」
「Kさんとお付き合いしている者ですが」
その瞬間でした
受話器が凶器へと変わったのです・・・・・・
「オギャー、オギャー」
赤ちゃん?
生まれたての声。
なぜ?
A子は凍りつきました。
喉はカラカラに、胸はどきどきで、まるで夢を見ているかのように。
それでもA子は冷静に事情を聴き続けました。
すると
「子供は生まれたばっかりよ。
旦那の態度が去年くらいから変わって、女の影を感じたんです。
1月くらいに前から冷凍保存してあった精子を使って人工授精したんです。
やっとの思いで待望の赤ちゃんを授かったの。
あなたは身を引いてくれるかしら・・・。」
A子は、奥さんに対し、妻として、女としての“意地”を感じた瞬間だった。
生まれたての子供の声は、すぐさまKの姿と照らし合わされた。
そして3人の絆を感じ、自分の力じゃどうにもならないことも感じとった。
A子は、凍りついたまま動けなかった。
涙なんて出ない。
それよりか、これまでの思い出が走馬灯のように蘇り、
すべての情景が偽りへと変わっていった。
ただせつなかった。
その夜、Kと連絡が取れることがなかった。
翌日、A子は一睡もせず仕事へ向かった。
そして涙をこらえ、無理に笑顔を作った。
周りはA子の事情なんて知らない。
タレントである以上、現場では楽しく振舞わないといけないんだという
プロ意識と葛藤し続けた。
A子は仕事を終えると、Kに連絡をし続けた。
5、6回かけたあとようやくKと話すことができた。
「とにかく会いたい」
A子とKは渋谷で待ち合わせをし、
凍りついた空気の中で二人は話始めた。
「事情を説明して」
「・・・。」
「ずっと黙っててごめん」
「なぜ10か月も黙ってたの?」
「A子を僕の手から手放してしまうのが怖かった」
「でも10か月も」
「子供はsexをして出来たわけではない。人工授精で出来たんだ。
妻にはA子のことも話して、おろして欲しいとも告げた。
1回は承諾してくれたものの、やはり念願だったから産むと・・・・・・
いよいよ出産の時期がやってきて、もはやどうにもならないと・・・・・・
A子には何度も言おうと思った。
けど、好き過ぎて言えなかった。
手放したくなかったから・・・・・・」
Kは涙をぼろぼろ流しながら必死に説明した。
そして
「ごめん・・・・・・」
っと。
そのあとは何を言っても「ごめん」の繰り返し。
もうA子は身を引くしか選択の余地がなかったのである。
Kは子供の実感はないけど、これは責任だと言い、
一生妻と子供に償い続けると言った。
A子はただ耐えた。
込み上げてくる思いは口に出せず
代わりに涙は溢れ出てくるばかりだった。
そしてKはA子にキスをして
思い切り抱きしめ、
そして
去っていった・・・・・・。
そのあとの二人はどうなったかは知りません。
ただ一つ言えるとしたら
これは「裏切り」であるということ。
「ごめん」の一言をどうして、あんなに簡単にいえるのだろうか。
自分だけ幸せな顔して、幸せな目覚めを迎えて、幸せな1日を過ごし、
幸せな気持ちで就寝して、幸せな1日を終わらせ、また幸せな1日を迎える・・・
Kがけして幸せになるとは思わないが、
裏切りをはたらくということはどんなに残酷なことか。
Kは
A子が裏切られたときの何倍も傷つくことを知っているのだろうか・・・
奥さんとA子を地獄に落としたKはこれからどんな苦しみが待っているのだろう。
A子が私の親友だけに、許せない。
自分の言動や行動に責任を持てずに、裏切りをはたらいてしまうような大人は、
人間に近づくな。
私は、自分の言動や行動に責任を持てる大人に出逢いたい。
今、
A子は人生の中で最も大切なものを失った。
「人を信じるということ」
A子は、最もKを愛し、裏切られたのだから
もう正常に戻ることはないだろう・・・・・・