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センター試験、問題差し替えへ 作成者のパソコン盗難

2007年12月14日14時20分

 大学入試センターは14日、来年1月に行われるセンター試験の問題の一部を差し替える、と発表した。問題作成者である大学教員の私物パソコンなどがセンターの外で盗まれ、データの中に、問題を検討する際に作った資料が入っていた。この資料から問題の内容が類推される恐れがあるため、センターは複数の問題の差し替えを決めた。問題の差し替えは、1990年度にセンター試験が始まって以来初めて。

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問題の差し替えについて記者会見する、大学入試センターの吉本高志理事長(右)ら=14日午後1時すぎ、文部科学省で

 入試センターによると、盗難にあったのは今年11月下旬。作成委員を務める大学の教員が、パソコンやUSBメモリーなどがなくなっているのに気づいた。パソコンなどには試験を作るために自ら作った資料が入っていた。教員は「資料を家に持ち帰って次の会議でよりよい提案をしようと、持ち帰ってしまった」と話しているという。

 パソコンなどの中の情報を見るにはパスワードが必要で、これまでに資料がネット上などに流出したという情報はないという。

 センターは作成委員に対し、試験問題や関係資料を東京都目黒区の入試センターの外に持ち出さないよう、文書や口頭で求めていたという。しかし、この教員は、パソコンなどをセンター外に持ち出していた。

 14日午後文部科学省で会見した入試センターの吉本高志理事長は「受験生をはじめ各方面に多大な迷惑をかけたことをおわびする。再発防止に万全を期したい」と述べた。吉本理事長は、給与の10分の1を3カ月自主返納する。

 08年度のセンター試験は来年1月19、20の両日、予定を変更することなく実施される。志願者数は約54万人。

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