心筋シートで心臓再生 患者の筋肉から培養 阪大病院2007年12月15日11時32分 移植でしか助からないとされる拡張型心筋症という重い心臓病の男性患者(56)が、自身の筋肉からつくった「心筋シート」を心臓に張る「再生治療」を大阪大病院で受けて機能が回復し、月末にも退院することになった。世界初の臨床研究で、心臓病治療の選択肢を広げる可能性がある。 心筋シートは、患者の太ももの筋肉(約10グラム)から取り出した筋芽細胞などを培養し、直径約5センチ、厚さ約50マイクロメートルの膜にしたもの。これを3、4枚重ねて心臓の表面に張ると、弱った心筋の再生が期待される。 患者は補助人工心臓をつけて心臓移植を待っていたが、今年5月に心筋シートを張る手術を受けたところ心臓から送り出される血流が改善。心不全も軽くなったため、9月に補助人工心臓を外した。 大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)によると、シートの影響で血管の増殖因子などが増え、心筋の再生が促された可能性があるという。 東京女子医大との共同研究。同様の治療を2年間に計6人に実施する予定という。澤教授は「症例を積み重ねて普及をめざしたい」と話している。 PR情報この記事の関連情報サイエンス
|
ここから広告です 広告終わり どらく
一覧企画特集
特集
朝日新聞社から |