水戸地裁(水戸市大町)の柵(さく)をめぐる“景観論争”で、地裁の加藤新太郎所長は10日、柵の塗り替えを断念したことを明らかにした。地裁は県のシンボルカラー「いばらきブルー」への塗り替えを希望していたが、市側が「色が鮮やかすぎる」と難色を示していた。
加藤所長は「景観を守りたいという市側の意見をくんだ」としながらも、「『いばらきブルー』は県民に身近な色ではないのか」と不満もちらり。市都市計画課は「地裁の配慮に感謝する」としている。
この“論争”は、国の特別史跡「弘道館」など地裁周辺の景観との調和を重視する市側と、県のシンボルカラーにこだわりたい地裁側が対立。「いばらきブルーは景観を損ねるか否か」が争点になっていた。
ウェブ上でも話題となり、Yahoo!ニュースが11月28〜12月5日に実施した意識調査では、「塗る範囲による」「(景観を)損ねる」「損ねない」の3つの選択肢への回答が、ほぼ等分されていた。
地裁は有識者による「水戸地方裁判所委員会」でも柵問題を議論。塗り替えへの賛成意見が多数だったことを市側に伝えたが、理解が得られなかったという。
加藤所長は「『県民の身近な存在でありたい』という裁判所の気持ちは県民に伝わったと思う。別の形で実現したい。柵だけに良い策がないか模索中だ」と話した。
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