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社説

BSE検査 消費者の安心が優先だ(12月1日)

 国産牛の牛海綿状脳症(BSE)検査問題で、高橋はるみ知事が来年八月以降も道独自に全頭検査を継続する方針を表明した。

 厚生労働省は生後二十カ月以下のBSE検査に対する都道府県への補助を来年七月末で打ち切る方針だ。補助が打ち切られた場合も道は全額負担して全頭検査を続ける。

 道財政が厳しい中で、年間七千万円の新たな負担となる。しかし、相次ぐ食品偽装事件で消費者は食の安全・安心に敏感になっている。畜産王国として、ここは独自にでも全頭検査を継続して道産牛への信頼を保ちたい。

 厚労省は二○○五年八月、国の検査基準は二十一カ月以上であるとして二十カ月以下の牛を検査対象から除外した。二十カ月以下は自治体の独自の判断として三年間は国が補助する全頭検査継続の体裁を整えた。

 肉牛飼養頭数が全国一の北海道の継続決定は全国の畜産県が注目している。道が方針を決めたことで今度は政府の対応が問われる。

 全国では宮崎、新潟の二県の知事が全頭検査継続を明言した。鹿児島など八県が継続の方向で検討している。都道府県ごとに対応が異なれば生産や流通の現場が混乱するのではないか。

 全頭検査をしていない産地の牛肉を安全性の面で消費者がどう思うか。肉牛農家や農業団体が自腹で検査費用を負担することもあり得る。

 検査済みかどうか、どの牛肉を選ぶかを消費者に丸投げするのも同然だ。販売する側も困るだろう。

 厚労省や農水省には混乱を防ぐ手だてが求められる。全国一律の検査態勢とともに、二十カ月以下の検査に対する国の補助を来年八月以降も継続することが必要ではないか。

 全頭検査見直しで、内閣府食品安全委員会は○五年、生後二十カ月以下の牛を検査対象から外してもBSEのリスクの増加は「非常に低いか、無視できる」とする答申をまとめた。

 しかし、その後、BSE発生のメカニズムとともに、肝心の国内感染源の解明が進んでいない。二十カ月以下の牛も本当に大丈夫なのか、消費者の不安はなお消えていない。

 高橋知事は全頭検査を継続する理由について、国の打ち切り方針が「消費者の十分な理解が得られていない」と述べた。道が道内四カ所で開いた意見交換会のアンケートでも七割以上が継続を支持した。

 世界一厳しいとされる国内のBSE対策は全頭検査と特定危険部位の除去が二本柱だ。消費者が国産牛肉に信頼感を持ち、生産者も安心なのはこの二つが機能しているためだろう。

 BSE検査のあり方は時間がかかっても国民の納得の得られる方策が望ましい。政府は消費者重視の姿勢をいまこそ貫いてもらいたい。

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