ワシントン(CNN) イランが2003年に核兵器開発を中止したとする「国家情報評価」(NIE)最新版の内容を受けて、ブッシュ米大統領は4日、イランが依然国際社会にとって脅威であると述べた。
大統領は、イラン政府が平和目的を掲げてウラン濃縮を続けており、核兵器製造に利用できる技術を開発していると指摘。「イランが核兵器製造に必要な知識を保有している限り、国際社会にとって脅威であり、今後も脅威になる」と語った。
国営イラン通信(IRNA)のウェブサイトによると、イラン政府報道官は、NIE公表前にブッシュ政権が展開したイラン批判をやり玉に挙げて「米国はうそを広めたり、世論をかく乱してイランを傷つけた。その代償を払わなければならない」と語った。IRNAは別の記事で、NIEを「対米関係面で必要かつ前向きな一歩」と評価する一方、「過ちを認めるだけでは不十分であることを米政権は知るべきだ」と釘を刺した。
しかしブッシュ米大統領は、NIEのイラン分析が「警戒信号」であるとして、イランが再び秘密裏に核兵器開発に乗り出す可能性を否定できないとの認識を表明。「イランが平和を脅かすことを重視する必要性」をNIEが示している、とコメントした。
ハドリー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、米国のイラン政策に変更はないと明言。ブラウン英首相も、イランへの圧力が引き続き必要との認識を表明した。イスラエルのバラク国防相は、ブッシュ米大統領の発言に賛成を表明した。