イスラエルが封鎖を続けるパレスチナのガザ地区で、“人道危機”とも言える状況が進んでいます。事実上の兵糧攻めによって、生活物資、中でも医薬品の不足は深刻で、治療を受けられず死亡する人が相次いでいます。
パレスチナ自治区ガザ。夜、ガソリンを求めて街を走りました。
(Q.ガソリンありますか?)
「ガソリン? ないよ!」(ガソリンスタンドの店員)
およそ2時間、10数件のガソリンスタンドには、一切、ガソリンはありませんでした。
ハマス内閣のハニヤ前首相は金曜日の礼拝後、ガザの燃料供給について、危機的な状況だといら立ちを露わにしました。
「イスラエルが燃料供給を制限し続けることによって、ガザの人たちの生活は危機的な状況になっている」(ハニヤ前首相)
ハマスがガザを支配しておよそ半年、イスラエルの制裁が続く中、今、ガザには物がありません。物不足の影響は医療機関にも及んでいました。この病院では故障した人工透析器が部品不足でそのまま放置されていました。
「薬がなくてたくさんの人が亡くなりました。私も週3回必要な人工透析を2回に減らされています」(患者)
麻酔薬なども不足していて、手術を受けられない人も相次いでいると言うのです。取材に応じたナイム前保健相は、ガザ以外で治療を受ける必要のある病人などが、およそこの5カ月間で40人以上が死亡したと述べました。イスラエルが事実上、検問所を封鎖しているためです。
「大やけどを負った3歳の女の子が検問所で4時間も待たされました。その挙げ句、彼女は検問所で死んだのです。戦争時であれ、政治的な紛争の最中であれ、基本的人権は守られるべきです」(ナイム前保健相)
今後、イスラエルによる電力供給のストップも検討されているというガザ。政治勢力と無関係の一般の人々がこうして苦しんでいる現状は、まさに人道危機と言っても過言ではありません。(02日17:08)