写真:標的人形「凶悪太郎」 防犯訓練に貢献
カラーボールの標的になった人形「凶悪太郎」=加茂署

 「はじめまして。ぼくの名前は『凶悪太郎』。仕事は標的になること。初めての仕事は少し怖かったけど、社会を守るために頑張ります」。

 凶悪太郎は防犯用カラーボールの標的になる人形。加茂署員が今月、作った。身長は約180センチ。マネキンを土台に、紙を丸めて頭を作った。正式な名前はないが、右手にナイフを持ち、まなざしの鋭さから愛称が付けられた。

 年末は金融機関を狙った強盗事件の発生が多くなる傾向があり、同署でも注意を呼び掛けている。万一に備え、カラーボールを投げる訓練が29日に同署であり、凶悪太郎が初めて登場した。

 訓練には、同署管内の金融機関69店舗の代表ら約70人が参加。水を入れた訓練用カラーボールを投げつけた。

 足元で次々に破裂するカラーボールに凶悪太郎もびっしょり。署員は「よく頑張った。防犯対策に貢献したし、『安全守』(あんぜんまもる)に名前を変えようか」とねぎらっていた。