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ベネズエラ:随所に「社会主義」…憲法改正で大揺れ

カラカスの幹線道路に集結したベネズエラ憲法改正に反対する人々=2007年11月29日、庭田学撮影
カラカスの幹線道路に集結したベネズエラ憲法改正に反対する人々=2007年11月29日、庭田学撮影

 【カラカス庭田学】ベネズエラで12月2日、憲法改正を問う国民投票が実施される。急進左派のチャベス大統領が提案したもので、改正案には「社会主義」の言葉を随所に盛り込み「反帝国主義」もうたった。社会主義国家建設を目指す急進的な内容に反発も強まっており、改憲反対派は29日、首都カラカスで数十万人規模の集会を開き「改憲にノー」と繰り返した。

 改正案には「社会主義」が12カ所盛り込まれた。経済分野では「社会主義経済建設のため」の国家の役割を強調、現行憲法にある「誰でも自由な経済活動ができる」とする規定を削除している。また、中央銀行の行政府からの独立を規定した一文を削除、「自立性はない」と明文化した。

 さらに、「地域共同体は社会主義国家と不可分」と規定。教育分野では「国は社会主義のヒューマニズムの原則により予算を支出」するとしている。外交に関しては「いかなる帝国主義、植民地主義の権力にも拘束されない」などとした一文を追加。軍についても「反帝国主義の組織」との定義が加わっている。

 大統領権限が強化されるのも特徴で、任期は現行の6年から7年に延長し、1回の再選しか認めない現在の規定を削除し、無期限再選を可能にしている。99年に就任したチャベス大統領は、「2021年まで職務を務める」と公言している。

 反対派は改憲により、言論の自由や私有財産が奪われるなどと主張。学生運動のリーダーの一人、フレディ・ゲバラさんは29日の集会演説で「国民は全体主義にノーと言っている。民主主義のために『ノー』を投票しよう」と呼びかけた。

毎日新聞 2007年11月30日 10時52分 (最終更新時間 11月30日 11時59分)

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