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フェラーリ工場労働者に学べ

「足るを知る」「分相応」の美徳

長井 利尚(2007-11-28 09:20)
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 先日、日経ナショナルジオグラフィック社から発売された『フェラーリ スーパーファクトリーのすべて』というDVDを購入し、自宅で視聴しました。そこには、日本の過酷な自動車工場とは趣の異なる、希望に満ちた職場が描かれていました。
 
 フェラーリは、第2次世界大戦前にアルファ・ロメオレーシングチームでレーサーを務めていた、故エンツォ・フェラーリ氏が1947年に創業した会社です。

 彼は、レースが本業であり、一般に販売する車(ロードカー)の事業は、レース資金を工面するためだけのものでした。流麗なデザインのボディに、荒々しい動力性能のギャップは、ハリウッドスターを魅了し、たちまち世界の人気車になりました。
 
 現在は、米国でMBAを取得した、モンテゼーモロ会長が経営の指揮をとります。彼は、フェラーリの車から、乗りにくさを排除しました。超高性能を、2ペダルで楽しめるようにしたので、新興国の富裕層にも支持されました。

ナショナルジオグラフィックDVD「フェラーリ」のパッケージ(撮影:長井利尚)

 1999年は年間3000台程度の生産台数に過ぎなかったのですが、現在は5000台を超える勢いです。最低でも2500万円するフェラーリの車に、世界中から注文が舞い込んでいます。

 そのフェラーリの工場で働く労働者たちは、子どもの頃からあこがれたフェラーリの一員となったことに嬉々としています。

 ラインエンジニアの場合、経済的な問題で、一生プライベートでフェラーリを所有することはありません。
 
 彼らがわきまえているのは、「足るを知る」「分相応」といった人生哲学です。
 
 「運動会の徒競走で、順位をつけるのは怪しからん!」という、悪平等の日本とは違います。全員が平等というのは、空想上の世界のことです。現実は、1位から最下位まで、順位がつきます。もちろん、順位を入れ替えることは可能ですが、大幅に差をつけられれば、闘争意欲も萎えるでしょう。
 
 悪平等志向の日本人で良くないのは、嫉妬心に燃えることです。何とかして、成功した人を、引きずり下ろそうとします。そうなれば、組織全体の力が落ちてしまい、本人の生活も危うくなるのです。
 
 「足るを知る」「分相応」の美徳を、今こそ取り戻し、本当の意味で日本を内面から美しくしていきたいものです。

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