富山県の射水市民病院で末期患者7人の人工呼吸器が取り外され死亡した問題で、大阪市の市民団体「『脳死』・臓器移植による人権侵害監視委員会・大阪」(岡本隆吉代表世話人)のメンバーら42人が26日、県弁護士会に人権救済を申し立てた。患者2人について、同病院(麻野井英次院長)と伊藤雅之元外科部長は、脳死でないのに「脳死状態で回復はない」と家族に説明し同意をとりつけ、人工呼吸器を外し死亡させたなどとして、調査などを求めている。
患者2人は、80代女性(05年10月死去)と70代男性(00年死去)。
岡本代表世話人と冠木克彦弁護士ら4人が県庁で記者会見し「医師に死なせる裁量権はない。裁量による延命中止が許されるなら、医療費抑制の観点から患者の命が縮められ、弱者切り捨てがまん延する」と危ぐした。
県弁護士会は、人権擁護委員会(委員長=水谷敏彦弁護士)が調査が必要と判断した場合、人権侵害に当たるかどうかを調べる。侵害があれば勧告や警告を出す。【上野宏人】
毎日新聞 2007年11月29日