漫画家の楳図かずおさん(71)が東京都に建築中の住宅が、周辺景観を破壊するとして訴訟沙汰になっているが、茨城県内でもちょっとした景観論争が起きている。
水戸地裁(加藤新太郎所長)が、地裁を囲むさくを県の色『いばらきブルー』に塗りたいと市に相談したところ、景観を損ねるとして市が難色を示している。「市景観条例には抵触しないが、色が鮮やか過ぎて目立つ」のだという。景観を守りたいという思いは双方に共通しているが、「青色」が景観を損ねるか否かで主張が分かれているわけだ。
加藤所長は「さくを青く塗ること自体が目的ではない。県民とともに歩む裁判所の象徴として、さくを県の色で塗りたい」と話す。
町の声を聞いてみると、「一目で裁判所とわかりそう」「そんなに景観を損ねるとは思わない」という意見と、「今のまま白いさくの方がいいんじゃないの」「景観に合わない」という声とで、まさに賛否両論。
楳図さんのケースと明確に異なるのは、これは外観の問題ではなく、地方裁判所のあり方の問題だということだ。
象徴的だったのはこんな声。「さくの色だけでは(裁判所を)親しまないよねぇ」。裁判にかかわったことのない大多数の県民にとって、裁判所が関心や親しみを持てる場所になるまで、時間がかかりそうだ。(豊田真由美)
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