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紀元会幹部を犯人隠避教唆罪で追起訴

11月28日(水)

 小諸市の宗教法人「紀元会」施設内で9月下旬、会員で同市荒町2のすし店経営奥野元子さん=当時(63)=が集団暴行死したとされる事件で、長野地検は27日、犯人隠避教唆罪で、会創設者の娘で会員による集団暴行を主導したとされる、小諸市乙、同会責任役員窪田康子容疑者(49)=傷害致死罪で起訴=を長野地裁に追起訴した。

 起訴状によると、窪田被告は事件当夜の9月25日午前1時半ごろ、集団暴行があった同会施設内で、奥野さんの夫の和宏被告(35)=傷害致死と犯人隠避の罪で起訴=に対し、同被告ら同居家族4人がすし店内で暴行したように装うようそそのかし、同4時ごろから4時40分ごろまでに4人にそれぞれ小諸署員にうそを言わせた。

 地検によると、窪田被告は、ほかの会員にも口止めし、奥野さんの二女森美智子被告(26)=犯人隠避罪で起訴=にかぶせたとされる避妊具付きの袋を廃棄するようにも指示していたという。

 追起訴事実について、窪田被告は、和宏被告から提案され承諾した−などと否認している。

 地検は、事件は窪田被告が会の実権を掌握しようと締め付けを強めた過程で起きたとみている。

 地検によると、窪田被告は2002年2月に会創設者の父親が病死した後、口実を付けてきょうだいや他幹部を排除。03年ごろ組織した側近集団内で金魚を丸のみさせたり、鼻から炭酸水を飲ませたりさせた。一部会員を実行部隊とし、暴力行為をエスカレートさせた。

 また、今年7月下旬ごろ、会内で影響力を持つ妹の松井五十鈴総裁代行(36)らと“密約”を締結。自身の長女を「役目神子長(やくめみこちょう)」、二女を「筆頭総代」に就任させ、影響力を強めていったという。

 事件は、こうして“神格化”された窪田被告の長女に対し、以前、森被告が避妊具を示したことが発端になったという。