11月16日早朝、香川県坂出市でパート従業員・三浦啓子さん(58)と、孫の山下茜ちゃん(5)、彩菜ちゃん(3)が突然行方不明になる事件が発生した。現場には3人のものと断定された大量の血痕が残されていたものの、安否の確認につながる情報が少なく、謎が多い事件として連日報じられている。
マスコミが周囲を囲む山下清さんの自宅は、さながら第二の畠山鈴香事件(撮影:北澤強機) 現場を訪れて近くに住む数人に声をかけると、早速、意外な話が聞けた。家族に失踪された山下清さんは、近所付き合いをしていないということ。自治会などにも入っておらず、ほとんど顔を合わせることがなかったという。また、近所に漏れるほど大きな声で、山下清さんと失踪した三浦啓子さんとが言い争いをしている声を聞いたという人もいた。 これらの情報が、山下さんが犯人であるかのような報道がなされている根拠のひとつかもしれない。その上、現在定職に就いていないことと、亀田兄弟を思わせるような口調でテレビカメラに応える様子が、報道に“偏見”を持たせる一つの要因にもなっているようだ。 捜査を混乱させる多くの謎 ただし、山下さんには犯行に及ぶ動機がない。かわいい盛りの娘ふたりを殺す意味がまったくないうえ、一家の唯一の収入源が三浦さんだったからだ。 山下さんの自宅から車で20分ほどの五色台では05年に幼女失踪事件が起きている(撮影:北澤強機) この事件には、多くの謎がある。物取りの犯行を偽装するためにタンスが開け放たれていたが、なにも盗まれていない。三浦さんの自転車が現場からなくなっていたこと。致死量に近いといわれる大量の出血がある3人をどうやって運んだのか。三浦さんのケータイが現場から2キロほど離れた場所で、数日間微弱な電波を出していたことが確認されていること。早朝に現場近くで目撃された白いセダン……などだ。 そこで三浦さんの足跡を追って取材をすすめると、多くの人たちが語ったのは、2005年4月に山下さんの自宅から車で20分ほどの山で発生した、幼女の失踪事件のことである。 05年に大西有紀ちゃんが失踪したタンベ池(撮影:北澤強機) この事件について警察に確認すると、大西有紀ちゃんは、いまだ行方不明であるという。また、隣接する池の水を抜いてまで捜索をしたものの、本人はおろか遺留品も見つかっていないという。 また隣接する場所には自衛隊の演習場があり、こっちに紛れ込んだとしても確実に発見される。また、演習場のまわりはキノコ狩りのメッカで、未踏の場所なんてどこにもない。誰かが連れ去る以外に失踪することは考えにくいのだ。
総合2点(計3人)
※評価結果は定期的に反映されます。
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