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運転してると名曲響く…「メロディーロード」相次ぎ誕生

11月25日22時45分配信 産経新聞


 気持ちよくドライブしていると、「ルルル…」と耳に馴染んだメロディーが車内に響く−。そんな不思議な「メロディーロード」が相次いで誕生している。路面に刻んだ溝で音階を作ったもので、制限速度を守って車を走らせないとうまく曲になって聞こえないという。スピードの抑制にもつながるユニークアイデアだ。(海老沢類)

 愛知県豊田市川手町の国道257号バイパス。10月に完成した「メロディートンネル」は、一定の速度で走行すると童謡「どんぐりころころ」が聞こえてくる。秘密は、路面を横断する形で刻まれた複数の溝にある。通過時にタイヤと溝が接触する音がメロディーになって聞こえる仕組みだ。

 溝と溝の間隔で音階、溝の幅で音量を調整。「溝の間隔は制限速度を想定して設計されているので、スピードを出し過ぎると音が聞き取りづらくなる」と同県豊田加茂建設事務所足助支所の加納久揮さん。区間の長さは約300メートル。制限速度の50キロを守って走行すると、約20秒間にわたって一曲分の演奏が楽しめるというわけだ。

 現場はトンネルの出口付近で、ゆるやかな下り坂。自然とスピードが出やすい上に、左右のカーブが続く。実際、昨年12月にはトンネルから500メートルほど離れた地点でトラックと軽乗用車の追突事故も起きていた。愛知県警は「スピード抑制やカーブ直前の注意喚起につながる。効果を検証しながら他の場所に適用できるかどうかを検討していきたい」と話す。

 技術を考案したのは、知床半島に近い北海道標津町の建設会社、篠田興業の篠田静男社長だ。重機で溝がついた舗装道路の上を走行中、スピードの違いによって振動音が変わることに気づいたという。

 「溝の大きさや間隔を変えれば音楽を奏でられるかもしれないと思った」と篠田社長。居眠り運転防止にも役立つと考え、道立工業試験場と共同で実用化に向けた研究に取り組んだ。

 平成16年に町道の一部区間に「知床旅情」を奏でるメロディーロードを完成させたところ、観光バスの周遊コースにも組み込まれ、知る人ぞ知る穴場スポットになった。

 メロディーロードは今年3カ所が開通し、全国で計4カ所になった。

 和歌山県紀美野町内の国道370号に3月完成したメロディーロードは約320メートルという全国一の長さが売りだ。町内に大きな天文台があることから、曲は坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」を採用。県海草振興局の担当者は「高野山へと通じる道をアピールする目玉の一つ。以前に比べて通行量は確実に増えている」と手応えを感じている。

 群馬県沼田市白沢町の利根沼田望郷ラインの「メロディーポイント」(全長約140メートル)は、約13秒間にわたって「夏の思い出」を奏でる。「尾瀬を訪れる観光客に向けた選曲。通行量が増え、町の活性化につながれば…」と沼田市白沢町振興局。観光のPR効果も期待される一石二鳥の「歌う道路」に、自治体関係者らから熱い視線が注がれている。

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最終更新:11月25日23時37分

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