コリー達に囲まれて
ラフコリー専門のブリーダーとして、コリー達と共に過ごす日々を記録します。

大騒動の末に

AIRWOMAN COLLIES

http://airwoman.if.tv/


コリー飼育者たちの間で大騒動になった迷子のコリー、
アルファ君の元飼主さん出現事件だが、今週末にUP
された愛護団体catnapさんの報告文を読むと、どうやら
太郎という犬とアルファ君とは別の犬である確率が高い。


それに、仮に同一犬であったとしても飼主さんと名乗る
男性の捜索姿勢には疑問があるので、愛護団体としては
引き渡せないのも無理はない。


掲示板ではなく、「保護日記・一つだけの花」において
11月22日、23日、24日として、今までの経緯が
非常に詳細に載っている。この報告文を書くだけでも
恐ろしく時間を要していると思う。担当者は、御自分の
本業もある方だそうだから、御苦労なことだと思う。
しっかりとした保護活動を行うというのは、本当に大変な
ことだ。頭が下がる。

http://ameblo.jp/catnap-memo/


それにしても、これほど数が少ない犬なのに、同時期に
千葉と東京の2箇所のセンターで保護されていたのには
驚いた。放浪癖があると言われることもある犬種だが、
飼主さんが家の周りを高さ150cm以上のフェンスで
しっかり囲い(8面サークル等を利用して囲ったのでは
すぐに壊して逸走する)、扉を二重にして、鍵をかける
ようにしていれば逃げられることはない。


マイクロチップは、捜索のためというよりも本犬確認の
為に、今回のような誰の犬かが問題になった時、自分の
犬だと証明する為に必要なのである。それと、狂犬病予防
ワクチンの際の畜犬登録をしていれば、訴訟になっても
自分の犬だと主張し勝訴できる。


でも、マイクロチップを埋め込んでおくような用意周到で
危機管理能力に優れた飼主さんならば、当然、家の周りは
しっかりとしたフェンスで囲っておくだろうし、留守中に
庭に出しておくこともないだろうから、マイクロチップは
出番が無いのかもしれないが。


今回の迷子の一件で、結局、一番被害を被ったのは私かも
しれない。アルファ君が太郎君と証明できていない状態
なのに、飼主さんに返せ返せと言っただけでは済まず、
「もし本当の飼主であっても大型犬の飼育不適格者だから
飼主だと名乗る人に戻すべきではない」と書いた私への
非難で盛り上がった某ブリーダー・サイトの住人達は、
この結果をどう捉えるのだろうか?


私は、60歳を越した状態で大型犬の子犬を飼い始める
べきではないと思っている。訓練士、プロハンドラー、
ブリーダーとして、それなりの施設を持って、数十頭の
飼育経験のある人間は、もう少し上の年齢まで大丈夫だ
けれども、私自身は、60歳を越してから手間の要る
コリーの子犬を飼い始めようとは思わない。自分自身の
手で、何頭も老いたコリーを介護し見送ってきたから、
自分が老いてから、その重労働をこなせるとは思えない。


犬を飼っていると、死にたくなった時に簡単に死ねない。
私は、子供も居ないので、不治の病に侵されたりすれば
絶対に他人を道連れにはしない方法で、自らの命を絶つ
ことも考えに入れている。そういう性質なのである。


自分がどこまで頑張れるかを見る為に、とことん痛みに
耐えて生きるか、周囲に迷惑をかけるからと、自分で
終わりにするかのどちらかだろう。いずれの場合も犬が
居ると、行動に移せない。


コリーは長生きでも15歳くらいだから、自分の親を
見ていて、75歳過ぎだと大型犬の世話は若い犬でも
きついと思うので、コリーの子犬の飼育のリミットは、
75−15=60歳なのである。


私なら、大型の飼育経験も豊富だし、それなりの設備も
あるので、もう少し上の年齢まで大丈夫と思うけれども、
自分の身体が重病でしんどい時には、コリーを愛でる
心の余裕は無いだろうと思う。


私の場合は、多くの愛犬家のように、自分が居ないと、
この子は生きてゆけないのだと言いながらも、実は、
自分の方が、犬に精神的に依存しているのとは違う。
コリーに見守られたいとは思わない。私がコリーたちを
見守ってやる気力が萎えた時は、全てを終わりにする
時なのである。
【2007/11/25 06:47】 | 飼育

子犬は元気です

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23日のブログのUPが無かったので、妹が父母宅に
「子犬が死んだの?」とTELしてきたらしいのですが、
子犬が死んでUPできないのじゃなくて、育っちゃって
忙しくってパソコンに向かう時間が無かったのです。


リズ胎の6頭は、昨日の夜から離乳食を始めましたが、
気に入ったらしく、ミルクよりも大騒ぎでした。
マイヤ胎の2頭は、リズ胎の2頭よりは大きいのですが、
生後15日ですから、いくら発育が良くても離乳食を
食べさせるわけにはゆきません。


母犬の食事管理の工夫もむなしくアルカリ乳に変わって
人工哺乳に切り替えた福胎の5頭は、カテーテル哺乳を
していますが、昨晩から哺乳瓶で飲む練習をさせた結果、
2〜3頭は、けっこう上手に飲めるようになりました。
でも、新品の乳首では力不足でダメなので、マイヤ胎の
子犬たちがしばらく使った後のを使っています。


考えてみれば、3頭の台メスが同じ時期に生んだことは
何度かありましたが、少なくとも1頭は母犬に抱かせて
おけたのです。今回のように3胎全てが、完全断乳して
いるのは、初めてじゃないかと思います。だから時間が
無いのです。


哺乳の合間に成犬たちの世話をしますし、デスクワークも
ありますし、週に3〜4回は、1時間ですが、学習塾で
子供に勉強を教えています。こちらも期末テストの直前
なので、休ませてもらうわけにはゆきません。


オモチャで遊んでやる間が無い為、小さいダンボール箱を
運動場へ放り込んでおいたら、しばらくしてから大喧嘩の
声がしてきたので、洗い物をしていたゴム手袋姿のままで
運動場へ降りてゆき、2頭を引き離しました。
ピリカとあかりの初めての面子のバトルだったせいで、
引き離すタイミングをミスってしまい、あかりの犬歯が
左手首に当たってしまいました。


ゴム手袋のおかげで出血はしませんでしたが、薄手の
ゴム手袋がV字型にパックリ切れて、手首には青あざが
できていました。
ダンボール大好きのあかりから、傍若無人のピリカが
奪い取ろうとして大喧嘩になったようです。多頭飼育の
場合、いつでもみんな仲良しというわけにはゆきません。
オスメスに関係なく、相性の良い子良くない子がいて、
揉め事になりやすいシチュエーションがあります。
温厚な気質のコリーであっても、互いに気に食わない
相手はできてきます。飼育頭数が5頭を越せば、普通の
一般家庭の飼い方から犬舎としての飼い方に変えないと
縫合が必要な喧嘩による怪我やヒートの見落としによる
できちゃった婚などが起きてきます。
だから、種オス同士は、人が見守る中でないと一緒には
出さないとか、運動させない時は、ケージに入れておく
などの犬舎式の管理術が必要です。


傍から見ると犬舎式管理は可哀想に思えるかもしれない
ですが、実は、犬の安全と繁殖の健全性を維持する為に
必要なことなのです。ケージでおとなしく過ごさせる
時間があるから、運動場に放してやるとダ〜っと全力で
走って筋力作りができ、ストレス発散にもなるのです。


断乳させた台メス達は、産後の分泌物の量が収まってきた
頃より、屋外で過ごさせる時間を増やすようにしています。
授乳をしていない為、体力の回復は早いのです。リズは
若い犬達の先頭に立って走っています。マイヤは、まだ
分泌物が多いようなので、室内で過ごさせることが多く、
福ちゃんは、やっと子犬達の排泄の際の鳴き声に反応して
吠え続けるのを止めました。


レックスやブランディが嬉しそうにジャスミンの近くへ
行くので、ジャスミンのヒートが近いです。あかりは
ホルモン注射が必要かもしれません。ジュリアは順調に
妊婦生活を送っています。ものすごい食欲です。たぶん
2歳前なので、アルカリ乳にならずに済むだろうと思うの
ですが、チェックは怠れません。


ジュリアの胎は、リズ胎同様、真剣勝負で臨みます。
前回、子犬に直にEM菌をスプレーした直後から様子が
急変し、肺の組織が破壊されて急死したのです。リズの
前胎の場合は、リズの毛にスプレーしていたのを子犬が
舐めた為、子犬たちの消化器官が破壊されたのですが、
今回の子犬たちは、EM菌を完全に除去しているので
今までで最高の育ちぶりで、片手で抱っこするのが大変な
くらいです。


ジュリアの前の胎の2頭は本当に発育が良くて、可愛い
盛りに苦しんで苦しんで死んでしまいましたから、今回
絶対に死なせないようにしなければなりません。


EM菌の残留物が無いように、殺菌は、パルボウィルスや
SARSウィルスにも対応している業務用の二酸化塩素で
念入りに行っています。


消臭効果はEM菌の方が優れているような気もしますが、
もう微生物系のものは怖くて手が出せません。NETで
調べてもEM菌による弊害は、シジミと昆虫とネズミの
飼育で少し見つかるくらいです。マイクロバブルバスに
EM菌をプラスする所があるのだと聞いたので、そういう
所では、虚弱な犬猫は、シャンプーを頼まない方が良いと
思います。得体の知れない酵母群を使わない、普通の泡で
洗ってもらう方が安全でしょう。


子犬や子猫やたぶん人間の新生児の近くでは、EM菌は
使わない方が良いと思います。そして、病中病後の犬や
老犬にも使わない方が安心です。使うと、むごい結果に
なるだろうと思います。経口的に入るのよりも吸引の方が
急激で、あっという間に悪くなります。
EM菌が、介護施設で使われているのが心配です。呼吸器
疾患の老人の場合は、どんどん悪くなってゆくだろうと
思いますが、おそらく世話する人はEM菌との因果関係に
気付かないと思います。恐ろしいことです。


071124Ftai



071124L&Mtai1



071124L&Mtai2

【2007/11/24 16:50】 | 飼育

福胎も人工哺乳

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昨日までまともだったお乳が今朝のチェックで、かなり
早くに試験紙の色が変わったので、福も断乳させた。
ケージならどれでも開けて出れる子なので、狭いけれど
バリケンへ入れている。


リズやマイヤと同じで、子犬のところへ行かせろと必死に
吠えているが、そのうち諦めるだろう。可哀想なようだが、
アルカリの母乳を飲ませ続け、一週間くらいで子犬たちが
パタパタ死んでゆくよりはマシだ。


子犬の方も母犬を恋しがるわけではない。一般の愛犬家は
そう思いたいだろうが、子犬は美味しいミルクをくれれば
人間でも母犬以外のメス犬でも良いのである。実母以外を
受け付けないようだと、すぐに死んでしまう。生まれた
ばかりの子犬だって生きる為に必死だから、生きるすべを
知っている。


福胎のブルーマールの男の子の行き先は決まっているし、
女の子3頭の行き先も決まりそうである。オーナーさん
募集中は、トライの男の子のみである


071122Ftai



福が3日間子犬たちを抱いていてくれたおかげで、少し
多めに睡眠が取れた。もう目覚まし3つくらいでは目が
覚めないほど疲労が溜まっていたので助かった。
今日からは、離乳期が近づいたせいで哺乳瓶から吸うのが
とろくさくなってきたリズ胎はシリンジ哺乳、リズ胎の
倍の速度で吸えるマイヤ胎は、哺乳瓶で哺乳、小さくて
吸うのが下手な福胎は、もう少しカテーテル哺乳を続ける
つもりである。


だから、人工哺乳といっても、発育段階に応じた哺乳の
仕方をしているので、洗い物も増えるわけだから、手間隙
かかるのである。ぼんやり子犬たちを眺めていられれば、
とても和むのだろうけど、忙しくて、撮影会の時以外では
眺めて楽しむ余裕はない。


その代わり、リズの子犬たちは、心地よい温度の室内で、
楽しくじゃれている。パピー用のオモチャが移動している
ということは、咥えて遊んだりもしているのだろう。
目が開いていないうちからリズ胎よりも上手に歩いていた
マイヤ胎の2頭は、昨日、生後12日で目が開いた。
大きさは、リズ胎の2頭よりも大きい。画像では右端の
黒が多い2頭がマイヤの子犬たち、左隅に押しやられてる
小さいのが、うちに残す台メスである。


071122L&Mtai



中央部の発育の良いトライ3頭のうちの1頭は、ショーに
出てゆくであろう子で、後の2頭が、オーナーさん募集中
である。重たいので、片手で抱っこするのが大変である。




【2007/11/22 14:30】 | 飼育

産みました

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昨日の19日の夜に福が出産したので、片づけをした後、
リズ胎とマイヤ胎の子犬たちを入れているサークルを
広げました。ちょっと変形のL字にして、一部ヒーターを
敷いているので、子犬たちは、好きな温度の所へ自分で
移動します。

赤ちゃん部屋拡張



産後の福ちゃん。

福胎のサークル



ブルーマール♂1、トライ♂1、セーブル♀1、セーブル
マール♀2、一番最後の子は一番大きくきれいだったの
だけど死産でした。
この胎の前胎のクロム君(ブルーマール)はJKCと
JCCの両方のショーに出ています。今回も良い子が
出るのじゃないかと思います。

福&子犬たち



福の胎は母乳&哺乳の両方でやっています。リズ胎と
マイヤ胎は人工哺乳のみですが、リズ胎の離乳期が
近づいています。


これから授乳の合間に仮予約の方々に連絡を入れてゆく
つもりですが、なかなか時間が取れません。
リズ胎のトライの男の子たちと福胎のトライの男の子の
オーナーさん募集中です。
思ったとおり、火曜日放送の有閑倶楽部のトライの
コリーの影響は、さっぱりです。実物は可愛いのだけど
日本人は明るい色の犬が好きですからねぇ。


ジュリアの受胎も確認しました。頭数は、あまり多くは
ないかもしれません。
【2007/11/20 15:31】 | 飼育

福ちゃん、産みます

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今朝の4時の検温で、37.4度まで下がりましたので、
産室に移しました。今日の午後あたりから産み始めるの
ではないかと思っています。お待たせしている女の子が
たくさん生まれればいいのですが・・・
前回は、たったの1頭だったので、期待し過ぎないよう
お願いします。


明日は、ブルーマールのジュリアの1回目の触診です。


リズの子犬たちは、歩き始めていて、マイヤの子犬達は
リズ胎以上の飲みっぷりです。皆、大きくなったので、
子犬のサークルが狭そうに見えるので、福のお産の後で、
倍に広げます。
【2007/11/19 05:33】 | 飼育

犬の身体が示す事実

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私のようなブリーダーは、コリーの新生児を育てる時、
細心の注意を持って慢性的な睡眠不足や腰痛や手荒れに
悩みながら譲渡可能な生後50日過ぎまで、精一杯の
愛情を込めて育て上げる。


そういう風にして一生懸命育てた子犬が、譲渡した先で
外耳が汚れで真っ黒、毛玉を何箇所にも作り、3歳という
最も身体が充実しているべき時期のオスなのに、最低限、
25kgは必要な体重が20kgにも満たないのだと
聞かされたなら、いくら飼主さんが、
「可愛いです。室内と広い庭で飼ってます」と言っても
その愛情を信用しない。たぶん、その飼主さんにとって、
可愛がるというのは、ただ犬が欲しがる美味しい食物を
与えることにすぎない。仮に、それが犬の身体に悪い物で
あってもである。


そういう飼主さんは、高齢であっても病気をしてなくて
元気だから、大型のコリーでも散歩に連れて行けるし、
生活に支障はないと言うかもしれない。
だけど、元気な今ですら、保護された時のアルファ君の
耳には黒い耳垢がべっとり付いていて、身体の数箇所に
毛玉が付いていて、ひどい痩せ過ぎで、内臓疾患にも
なりかけていた。


その元気な飼主さんが、あと5年経って、自分の身体の
どこかに不調を覚え、何をするにも身体に痛みやだるさを
感じるようになった時に、果たして手間の要るコリーの
アルファ君の世話ができるだろうか。


代謝がよくて身体が汚れにくい若い3歳時で、黒い耳垢と
毛玉を付けていた犬が、8歳の老犬になった時に、耳も
毛もきれいで、内臓も痛んでいない状態で管理されている
だなどと思う人は、あまりにも楽観的である。


人は、自分の身体がきつくなれば、他人や動物の世話を
焼いている余裕など全く無くなるのである。1人暮らしの
高齢の男性ならば、なおさらである。


8歳の老コリーで、しつけも不十分、手入れもされず、
病気持ちで見栄えが悪くなってからアルファ君の里親を
探しても、簡単に見つかりはしない。
精神的にも肉体的にも柔軟な時期、若くきれいな時期に、
迷子になって、幸運にも危機一髪で救い出され、運良く
念入りなケアをしてくれる家庭に引き取ってもらえる
アルファ君は、強運な犬だと私は思う。


子犬の世話で忙しくて見てなかったのだが、どうやら
愛護団体 catnap さんの掲示板への「アルファ君を元の
飼主さんへ戻せ」の書込みが、愛護団体の運営に支障を
きたすほど続いたと思われる。


皮膚の浄化作用も活発で耳が汚れにくい3歳という年齢、
十分に手間をかけれる1頭飼育、大型犬と散歩に行ける
だけの飼主さんの健康状態・・・であるにも関わらず、
汚らしい耳垢を付け、毛玉をぶら下げ、体重が20kg
足らずで(3歳なのに、数年前、消化能力の低下と老衰で
亡くなった11歳過ぎのヒューイと同じ体重だなんて
信じられない)放置していた“事実”こそを愛護団体の
掲示板に迷惑な書込みをした人達は、重く受け止める
べきだと思う。


可哀想という情緒に流されずに、犬の身体が示す事実を
受け止め、アルファ君の将来に思いをはせて欲しい。
もし、私がアルファ君の繁殖者ならば、保護された時の
状態を見れば、飼主さんに返したくない。人間が語る
言葉よりも、犬が無言で示す管理状態こそを信じたい。


授乳セーブル2頭



セーブル第6子授乳



ブラックバス



トライへそ天

【2007/11/18 02:15】 | 飼育

乳は血なり

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人工哺乳の為、起きている時間が長いのと、同じ姿勢で
いなければならないのとで、首や肩だけでなく背筋が
コリコリで、そのせいで胃腸の調子も下降線で、腰痛も
出始めた。両手に哺乳瓶を持って授乳しているので、
1頭ずつで授乳するよりもずっと時間は短縮しているの
だけれども、カテーテルのような短時間では不可能だ。


急激に胃が膨らむことで胃にガスが溜まって死亡する
危険性はあるが、カテーテルの方が、自分の身体は
楽である。
でも、できるだけ新生児死亡の危険性は避けたいので
今年から、吸う力のある子には哺乳瓶で授乳することに
したのである。


本当は、普通のお乳が出てくれれば、一番楽である。
うちでは、2歳未満の初産ではアルカリ乳になる心配は
ないのだが、2歳を越すと乳房のいくつかにアルカリの
感染乳が出始める。乳房のしこりも何も無くてもである。


数十年前に書かれたJCC刊行物にも出ているように
コリーにはアルカリ乳が出ることがある。他の犬種では
滅多に聞かないのに、なぜコリーだけ多いかという事に
対して、そんなものだと思って、深く考えずに来たが、
先日、はっと気付いた。アルカリになりやすい原因は、
コリーの特徴的な血液の成分組成ではなかろうか・・・


数年前、古くからの友人が言った何気ない一言が、ずっと
頭に引っかかっていた。
「母乳は、母親の血液だからね」
母乳の元は、血液。そして、人間の場合、母親の食事が
肉食や乳製品など高脂肪食に偏っていると、母乳が感染を
起こしやすいのだそうだ。


私は、ずっと譲渡する子犬たちの血液検査をして、その
データを保管しているが、他犬種と比べて、脂質の代謝に
関係する臓器の数値が正常値のぎりぎりになることが多い。


アメリカ系の血統のみの子犬も、元々、うちで持っている
内産血が入った血統も全てである。内産血の入った血統は
JCCの最大手の犬舎の血が入るものと入らないものとが
あるのだが、どちらの血統の子犬でも、結果は似たような
ものだった。だから、コリーの脂質の代謝能力が低いと
いうのは、コリーという犬種の特徴なのだろうと思う。


そして脂肪分の代謝能力が低いがゆえに、血中のコレステ
ロールや中性脂肪などが普通よりも多くなり、高脂肪食の
人間の母親の感染乳と同じ状況になってしまうのだろうと
思うのである。


アメリカの有名犬舎では、アルカリ乳対策として、交配の
1週間前に投薬が終わるように、ある抗生剤を飲ませると
教えてもらったが、私のかかっている病院ではアメリカで
流通している薬は手に入らないし、ブリーダーだからと
いって、薬代が安くしてもらえるわけではない。だから、
またもや食事管理で何とかしてみようと思っている。


もっとも今回は間に合わなかったので、1年以上かけて、
あれこれ試してみるつもりである。ただ、ローファットに
すれば、問題が解決するわけではないからだ。受胎能力が
落ちず、胎児吸収も起きず、胎児の成長もよく、その上で
アルカリ乳にならないような妊娠犬の食事管理術があるの
ではないかと思うのである。


種オスの精子生成能力の管理方法は、昔の失敗例や今年の
夏の失敗例から、ほぼ問題解決ができた。メスの真夏の
不受胎の問題も片付いた。残るは、アルカリ乳問題である。
本当に、コリーというのは、ブリーダーに、あれこれと
多くの問題提起をしてくれる犬種だと思う。


この難しい犬種1本のみで、繁殖引退犬を里子に出さず、
名義だけ自分にしておいての繁殖もせず、転売もせず、
ペット・ショップにも子犬を売らず、直接売買のみで
やってゆこうというのだから、無謀かもしれない。
今日も山梨のペットショップから問合せの電話があったが、
即、お断りした。


楽な方向へ流れるのは簡単なのだけど、後で後悔が残る。
それが嫌だ。だからシンドイ方法で頑張るしかない。




●本日の子犬たち。すくすくと育っているが、黒が多い。
コリー単一犬舎の運営上のもうひとつの問題があった。
トライ問題である。でも、ピュアセーブルのナイル君が
来春には来てくれるので、秋くらいからは、なんとか
なるだろう。うちのピュア・セーブルのピリカも大きく
なったので、当てにならない台メスのあかりに代わって、
頑張って欲しい。

071117L&Mayatai

【2007/11/17 23:20】 | 飼育
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ショーや訓練に頑張ってます。

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