目の回る忙しさだった。
次女の大學の学際が始まり、差し入れを頼まれていたので、新幹線に飛び乗り行ってきた。
連休と重なり、ごったがえす賑わいの、どこそこだった。
相変わらず、無邪気なのか図々しいのかわからんワカモンは、持って行った天むすやらお好み焼きやらをあっという間にパクつきやがった・・・。
隣で「いただきますっ。」と礼儀正しくかぶり付いてるヤツは、チャネ男!
ぎょえーっ、好青年に変身・・。
確か去年までは、屁理屈ばかり捏ねて参加もしなかった筈。
変わったのは嘘ではなかったのね。ええこっちゃ〜♪
人は脱皮しながら「人間」になっていく、と物の本に書いていたのは誰だったかな?
若いもん達を見ていると、自分の学生時代を思い返し、今だったらタイムスリップして修正したい事が山ほどある。
でもそれも全て、今の私を作り上げる通るべき道だったのだと思うようにしている。
失敗しないと、成功もあり得ないし。
なんて事を思いながら娘の学科を後にして、友人がいる物理の方に顔を出したら、長女の元主治医の方が入っていらした。
私が尊敬申し上げている女医さんで、数年前に退職して開業された。
在籍されていた頃から、丁寧に診察される先生として定評があった方だ。
今でもそれは変わらず、患者さんが多いと聞いている。
今でこそ、健康番組も多く免疫力の低下だ、何だと脚光を浴びるようになったが、「人細胞の免疫なんたらかんたら」といい続けている先生だった。
副作用が心配だから漢方が安心!と走りがちだが、漢方にも副作用の危険性も説かれ、人が持っている本来の治癒力や、またそれを引き出すために、その人の細胞に合ったものを使ったりして症状の改善を図る先生だ。
勿論、苦痛、辛さを患者さんが抱えていたら、何はさておき、最初に苦痛を取る事を優先される。
痛みで一杯になってしまうと、「治癒力」という「細胞の余裕」ができないからだそうだ。
長女は先生のお蔭で命拾いをした。
長女の進路変更はもしかしたら先生の影響が大きいのかもしれない。
「今日は教え子のバカ騒ぎを見に来た」と仰った。
中折れハットがトレードマークで、仕立ての良いマニッシュなタイトスカートスーツ姿は20年前と少しも変わらない。
その頃は主治医と患者のお母さん、という関係だったが、ある茶席で私の点前にお正客のお供でいらしたのが、先生だったのだ。
偶然ではあったが、日頃の出で立ちと違って、互いに認識するのに時間がかかった。
昔のセシルカットと言われるショートカットが、萌黄色の古代縮緬と上品によく似合っていらした。
それから娘よりも私と親しくして頂き、お付き合いが続いている。
娘の近況報告をしたら、「楽しみが増えた」と喜んで下さった。
只の顔見知りから、偶然が重なり友情?が続いている齢もバラバラ、仕事もバラバラ、生活環境もバラバラの私達3人だ。
同じ物がないから良いのか?わからないが、いつも居心地の良い3人の時間です。
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