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「音波で蚊よけ」効果なし 公取委がメーカーに排除命令

2007年11月20日21時52分

 「音波で蚊を寄せ付けない」と表示した携帯型電気式蚊よけ器が、実際には効果が全くなく、景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、公正取引委員会は20日、販売したオーム電機(東京)に対し、再発防止策などを求める排除命令を出した。公取委は実験で効果がないことを証明し、同社も根拠がないことを認めているという。一方、消費者からは、効果を疑う声がほとんどなかったという。

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排除命令の対象となった「超音波蚊よけ器」(左)と「ミニライト付き蚊よけ器」

 公取委によると、排除命令の対象となったのは「超音波蚊よけ器」と「ミニライト付き蚊よけ器」の2商品。包装紙に「蚊が逃げる!」「血を吸うメスの蚊がきらう周波数の音波を発生し、寄せ付けない」などと表記されていた。同社は98年3月ごろから先月までに計約124万個を全国のホームセンターなどで販売。約4億1000万円の売り上げがあった。

 公取委は公益法人の研究機関に依頼し、ウズラの入ったケースに50匹の蚊を入れて実験。結果、蚊よけ器の有無にかかわらずイエ蚊の約9割、ヤブ蚊の約5割がウズラを刺して血を吸ったという。

 また、公取委が専門家から話を聞いたところ、メス蚊の聴覚はオス蚊の10分の1程度しかなく、メス蚊が嫌がる周波数についての学術的な報告例もないことがわかった。このため、表示された効果は認められないと判断した。

 公取委によると、オーム電機は同種製品を製造していた中国のメーカーに製造を委託したが、効果について確かめたことはなかったという。

 同社はホームセンターなどに乾電池や電気製品などを販売する中堅電気機器会社で、公取委によると携帯型電気式蚊よけ器のシェアはトップ。信用調査会社によると、07年3月期の売上高は約230億円。

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