室蘭地方の一部ガソリンスタンドは19日から、灯油価格を5円アップの93円(1リットル)で販売を始めた。今月1日に88円になったばかりで、わずか20日あまりの間に9円もアップ。室蘭地方ではオイルショック以来2番目の高さだが、12月1日にさらに値上げし、史上最高値になる見通しだ。冬本番で、市民生活の基本エネルギーとなる灯油価格高騰に消費者からは憤りの声が出始めている。
昭和50年代のオイルショック時の99円(同)に次ぐ記録。ガソリンスタンドなどの小売店は「値上げが続く仕切り値の後追いをしているだけで、利益の出ない状況」と説明しており、12月1日には97―99円の幅で値上げを検討している。
一方、ガソリンについては12月から値上げし、レギュラーは史上最高値の155円(1リットル)前後にまで上昇する見込みだ。いずれも品薄状態でもあり、「価格の横ばいはあっても、下落にはならないのでは」との見方をしている。
ガソリン、灯油の値上げはとどまるところを知らない。消費者からは「ガソリンと灯油を交互に値上げしている。賃金体系は変わらないのに生活が圧迫される」と悲痛な声が聞こえる。
室蘭市の古参市議のもとには中高年の主婦が訴えてきたという。「生活費に占める灯油代が異常に高くなっている。市議会の力で何とかしてほしい」。市議は「国への意見書などの提出も検討したい」と、これまでにみられなかった動きも出てきた。
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