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総裁代行の女性を証人尋問 紀元会集団暴行死事件

11月20日(火)

 小諸市の宗教法人「紀元会」施設内で9月、会員で同市荒町2のすし店経営奥野元子さん=当時(63)=が集団暴行死したとされる事件で、同会が信奉する「大和神社」の松井五十鈴・総裁代行(36)の刑事訴訟法に基づく証人尋問が19日、長野地裁であった。

 松井総裁代行は会創設者の娘。尋問後、報道陣に対し「報道されていることと事実はかなり違う。1度きちんと事実を伝えたい」と述べた。事件に関する質問には明言しなかった。

 証人尋問は非公開で約2時間行った。集団暴行で主導的な立場だったとされる、同じく会創設者の娘で会員の小諸市乙、無職窪田康子被告(49)=傷害致死罪で起訴=の会内での地位や権限などについて証言したとみられる。

 松井総裁代行は暴行現場にはいなかったとされる。証人尋問は、長野地検が同総裁代行に任意出頭を2度要請したものの応じなかったため、刑訴法226条に基づき地検が地裁に請求した。こうした手続きが取られるのは異例という。

 大和神社は、集団暴行事件が起きた紀元会の施設内にある。同会が集団暴行への組織的な関与を否定した10月下旬の記者会見には、会役員らと一緒に神司総責任者が出席している。