長野県内のニュース

フロント > 県内ニュース一覧 > 記事詳細

紀元会事件の窪田容疑者 そそのかしは否認

11月16日(金)

 小諸市の宗教法人「紀元会」施設内で9月に会員ですし店経営奥野元子さん=当時(63)=が集団暴行死したとされる事件で、犯人隠避教唆の疑いで再逮捕された、会創設者の娘で会員の小諸市乙、無職窪田康子容疑者(49)=傷害致死罪で起訴=の拘置理由開示の法廷が15日、長野簡裁(中林清則裁判官)であった。家族内の暴行に偽装するよう、奥野さんの夫和宏被告(35)=犯人隠避罪などで起訴=をそそのかしたとされる容疑を否認した。

 窪田容疑者は意見陳述で「和宏被告が『家でやった、と言う。知り合いの先生(医師)がいるから大丈夫』と言った」と主張。奥野さんの二女森美智子被告(26)=同=らに「『あんたたちもそうしなね』と言った」としたが、和宏被告をそそのかした事実はないとした。

 担当の米丸和実弁護士は「犯人隠避教唆容疑を否認している。(起訴された)奥野さんへの暴行そのものは認めるが、主導性は争う」とした。中林裁判官は拘置理由で「釈放すれば(会内で)大きな影響力がある被疑者の発言で、関係者の供述を変遷させるなど罪証隠滅の恐れがある」と述べた。

 また、米丸弁護士はこの日、取材に「総裁代行」の立場にある会創設者の娘について、刑事訴訟法に基づく証人尋問が近く長野地裁で開かれることを明らかにした。長野地検の任意の出頭要請に応じなかったため、地検が地裁に請求したという。この件について、長野地検は「コメントしない」としている。

 小諸署の捜査本部や長野地検は、窪田容疑者は集団暴行で主導的な立場だったとみている。