女性職員の体を触ったとして、福岡県警に強制わいせつ容疑で逮捕された学校法人グループ「都築総合学園」総長の都築泰寿(つづきやすひさ)容疑者(71)が、ほかにも複数の女性職員に日常的にわいせつ行為を行っていた疑いのあることが14日、県警の調べで分かった。女性職員の一部有志は、セクハラ(性的嫌がらせ)をやめさせるよう求める嘆願書を学園側に提出しており、県警もこれを入手して実態解明を進めている。

 関係者によると、嘆願書は9月ごろ、都築総合学園グループの大学の女性職員らが提出した。都築容疑者のセクハラをやめさせるよう求めるとともに、数人の女性職員が「総長お付き」と呼ばれる都築容疑者の秘書役を務めていたが、これを男性職員に代えるよう求めた内容という。

 「お付き」をしたことがある20歳代の女性は、西日本新聞の取材に対し「都築容疑者とエレベーター内や学長室などで2人きりになると、胸を触られたり、制服のスカートの中に手を入れられたりした」と証言。大学側に被害を相談しても「一時の辛抱だ」「絶対に話すなよ」などと口止めされ、改善されることはなかったという。

 県警は、都築容疑者からわいせつ行為をされたという被害相談を少なくとも5、6件受けているほか、逮捕容疑となった女性職員とは別の女性職員からも被害届を受理して事情聴取を進めており、都築容疑者が「お付き」と呼ばれる女性を中心にわいせつ行為を繰り返していた疑いが強いとみて調べている。

=2007/11/15付 西日本新聞朝刊=