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大学など45校のグループ総長 強制わいせつ容疑で逮捕

2007年11月14日13時22分

 自らが学長を務める大学で女性職員に無理やりわいせつな行為をしたとして、福岡県警は14日、第一薬科大学(福岡市南区)などを運営する学校法人・都築学園グループ総長、都築泰寿容疑者(71)=福岡市南区玉川町=を強制わいせつの疑いで逮捕した。「絶対にしていない」と容疑を否認しているという。他の女性職員からも被害の相談があるといい、県警は都築容疑者が常習的にわいせつ行為を繰り返していた疑いもあるとみて、調べを進める。

 調べでは、都築容疑者は昨年10月14日午後6時半ごろ、自身が学長を務める福岡県太宰府市にある大学の校舎内で、エレベーターの前まで見送りに来た女性職員(23)を無理やりエレベーターに押し込み、両肩をつかむなどして暴行を加え、胸を触るなどのわいせつな行為をした疑い。女性職員が今年10月に被害届を出し、県警が捜査していた。

 県警によると、女性職員らは都築容疑者の前では1人で歩かないように申し合わせたり、今年に入って制服をスカートからズボンに変えたりしていたという。被害者の職員も事件当時、他の職員と手をつないで身を守ろうとしていたとされる。都築容疑者や上司らは、この職員らに「我慢しておいた方がいい」などと口止めしていたらしい。

 学校法人・都築学園広報室の諸井和樹室長は「寝耳に水だった。被害者が誰なのかも学校としては把握できていない。今後、事実関係を調べるとともに、動揺した学生のケアなど対策をとっていきたい」と話した。

 第一薬科大では同日、通常通りに講義が行われた。女子学生(22)は「(都築容疑者は)学内で会って会釈すると、にこにこと手を振ってくれた。優しそうなおじいちゃんと思っていたのでショックです」と話した。

 広報室によると、都築学園グループは9学校法人、1財団法人で構成され、第一薬科大や日本薬科大学(埼玉県伊奈町)、福岡第一高校(福岡市南区)などの大学や高校、専門学校など45校を全国に展開している。都築容疑者は創立者の次男で、グループ傘下の各法人の代表も都築容疑者や家族が占めている。

 同グループをめぐっては、第一経済大学(現・福岡経済大学)が91年に定員500人の12倍にあたる約6000人もの学生を入学させていた問題が発覚。文部省(当時)から立ち入り調査を受けた。99年には福岡・天神の百貨店「岩田屋」の旧本館を125億円で購入して話題を集めたが、現在は空きビルになっている。

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