ああ　死にたくなるほどの極貧生活も、あと何日かでオサラバだ。
袋麺と100円の冷凍食品たちよ、さようなら。
いい加減、食生活がひどすぎて肌が荒れてきたよ。
肌が割とキレイらしいのが唯一の取り得だったのに。

10代の頃から夜型で、タバコも酒もやり放題。メイク落とさずに寝るのなんか当たり前。寝不足に不規則すぎるひどい食生活。
「そんな生活を長年続けてきてるのに、その肌ってありえない」
と友達に言わしめたくらいなのに。
イカン、もうちょっとちゃんとしよう。

しかしユダの「チャド」を聴く度に、まるで自分の事のようで耳が痛い。

極貧のさなか、友達から遊びに誘われるたびに
「全然空いてるし遊びたいけど、金無いんだわ」
と言わなければならない悲しさよ。
でも今月は二人の親友が「お金の心配ならしないで！」と言って奢ってくれた。しかも結構な額を奢ってくれた。

「ありがとう！マジでありがとう！この借りは必ず…！！」と私は感謝の意を表した。
「いいの、いいの。だって昔かなり助けてもらったし」とか
「昔何度もいい思いさせてもらったもん」と言われた。

そう考えると、昔の自分ってバブリーだったのねと思った。
確かにやたらと友達に奢りまくっていた。

でもその資金源は、決して自分が汗水垂らして稼いだ金では無かったけど。

チャドを替え歌にするとこんなカンジ

「そいつが手広く商売を始めた頃の話さ　流行りに合わせてやってた
オレはその店の店長だったけど　そいつの事がすごく嫌いでね
そうこうしてる内にオレは店の金を　盗むようになったってワケさ
毎日、毎日　来る日も、来る日も　
バレないように　バレないように」

替えたトコは「バーテン」を「店長」にだけだけど。
仕事の内容と職場は本当に大好きだったけど、社長がマジで大嫌いでしょうがなかった。
手広く商売していて、品川に豪邸建てる位儲かってるくせに働いてる人間の給料はいっこうに上げてくれないヤツ。現場で働いてる人間で、そいつの事を尊敬してるヤツなんて一人もいなかった。

実際問題、私と前店長が店内ディスプレーを変更したり輸入商品の取引先を開拓する事で、集客も売上も前年度よりかなり増加させた。
デッドストック化していた商品も見せ方を変える事でだいぶ処分できた。
にも関わらず、プラス部分の評価は全くせずにいつも文句ばかり言ってくる。21かそこらのクソガキだった私は、そんな社長にかなりムカついていた。
そしてある日、90％以上の確率でバレない売上の盗み方を思いついた。ものすごく簡単で、自分の操作ひとつで出来る方法。
ある条件が揃っていないと実行できないけど。

それを思いついた日から、その条件が揃った日は大体実行した。面白い位バレなくて、やめられなかった。

「臨時収入はいりましたぁ〜！今日遊べる？」
と友達にメールしては、その金で遊びまくった。すんげー楽しかった。

「でも神様はちゃんと見てるもので　その後の10年間オレは苦しんだ
その頃は気付かなかったけど　今思うとすごく苦しんでた
全部返って来た
オレは無意味な金のために　大切な時を失った気がしてる
もう取り戻せない
だからオレが言いたいことはそう　盗みはするなって事
それって当たり前か」

当たり前、当たり前なんだよ。でもやっちゃったんだねー。
たぶんそれが今返ってきてるんだよ。
「海外旅行行きたいね」と言いつつも全然行けないし、ライブも思うように行けないし、フツウに飲みにも行けない。ガッカリばっかりさせてゴメンナサイ。

大嫌いだった社長だけど、今考えてみるとそこにのし上がるまでは相当な苦労をしたんだろうと思う。誰だってそうそう楽して地位を築くことは出来ない。だから、今は反省している。

過ぎたことは取り戻せないが、これからどうにかしてやろうと思う。楽しく笑って死にたいから、適当に頑張るのだ。

イエー！ディーキューエヌのピストル！！