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「病院にほかされた…」憤る男性 全盲患者公園置き去り

2007年11月14日

 大阪市消防局の救急隊員が公園に駆けつけた時、男性はベンチに1人で座っていた。そばには衣類などが入った衣装ケース2個とゴミ袋3個が置いてあった。「病院にほかされた(捨てられた)」。男性はそう言って憤っていたという。

 近くに住む男性(63)は当日、白いつえを持った男性が、救急隊員に保護されるのを見ていた。「目が不自由なのに荷物がたくさんあったので気になっていた。男性はほとんど動かずにじっと座っていたが、両脇を抱えられて救急車に乗せられていた。後で事情を聞いて、ひどい話だと驚いた」と話した。

 同病院は13日、豊川元邦院長は体調不良だとして、次男の豊川泰樹・院長室長(36)が記者会見した。豊川室長は「(職員は前妻に)男性を引き取ってもらえず、どうしたらよいかわからなくなり、救急車に乗ったら任せられると思ってしまったようだ」と説明。「入院が長期に及び困っていたことは事実だが、放置を指示したことは無い。どうしてこんなことをしたのか、という思いだ」と、職員の独断だったことを強調した。

 男性は以前、生活保護を受けていたが、現在は障害年金で生活。約2年前からは入院費の支払いも滞っていたという。病院職員やほかの入院患者とたびたびトラブルもあったという。

 堺市保健所は9月21日に救急隊からの電話で事実を知り、病院関係者から事情聴取。10月9日に経過報告書を提出した院長は「(患者には)家族がいるということだったので、退院は可能と判断した。だが、置き去りにしたということは知らなかった。とんでもないことをした」などと話したという。

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