2007年11月13日 18時37分更新
去年、福岡県筑前町で中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、福岡法務局は13日、両親の求めに応じて独自に調査した報告書の一部を提供しました。しかし、調査内容にあたるほとんどの部分が黒く塗りつぶされてあり、両親は不服申し立てなどを行うことを検討しています。
去年10月、福岡県筑前町の中学2年生、森啓祐君がいじめを苦に自殺した問題で、福岡法務局は独自に調査した結果、1年生の時の担任教師の言動が人権侵害にあたるなどとして、この教師と当時の校長に反省や再発防止を求める文書を送りました。
しかし、調査の具体的な内容は明らかにされず、森君の両親は行政機関個人情報保護法に基づいて調査結果を開示するよう求めていました。
法務局は13日、これを認めて報告書の一部を両親に提供しましたが、報告書は新聞記事のコピーなどを除いて学校関係者から事情を聞き取った内容のほとんどが法務局の調査に支障を及ぼすなどとして、黒く塗りつぶされていました。両親は不服申し立てを行うか、国を相手に裁判を起こすことを検討したいとしています。
父親の順二さんは「もう少し踏み込んだものが出ると期待したが、がっかりしました。行政機関は知っていることをすべて知らせてほしい」と話しています。
また、母親の美加さんは「遺族が何も知らされない現状をとても残念に思います。いじめの被害を無くすために、調査結果が次の問題の対策につながることを求めています」と話しています。