伊賀市が市内在住の在日韓国・朝鮮人の一部を対象に、住民税を最大半額減免する措置を独自に設けていたことが12日、分かった。この措置は昨年度末で廃止されたものの、市民からは「他国籍の在住外国人も大勢いるなか、不適切な優遇では」との批判も出ている。
市税務課などによると、この措置が始まった詳しい経緯は不明だが、60年代以降、市内の在日本大韓民国民団(民団)や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)側との交渉で始まったとみられる。市は「両国に対する戦争補償の一環や戦後期の所得格差の解消」などを理由に容認していた。市は05年11月、格差解消などを理由に廃止を決めた。
市では、必要に応じて税を減免できる市市税条例に基づき、両団体からの申請を基に減額対象者を決定。06年度に減額されたのは、在日韓国・朝鮮人のごく一部の計約50人で、例年同程度の規模で推移していたとみられる。
市税務課は「当時の市長の政治判断で始まったのだろう。今の時代には役割を終えたと考え、廃止した」としている。【傳田賢史】
〔伊賀版〕
毎日新聞 2007年11月13日