■ 郵政民営化余波、室蘭漁協のふるさと小包休止へ
【2007年11月13日(火)朝刊】


ふるさと小包として販売してきた「地球岬の三年貝」。今シーズンの取り扱いは休止に 室蘭漁業協同組合(北山秋男組合長)は、冬季限定のふるさと小包として販売してきた「地球岬の三年貝」「地球岬の山づけ」について、発送作業や経費増大などのため、今シーズンの取り扱いを休止する。室蘭名物としてお歳暮などに欠かせない存在だっただけに、同組合は「お客さまには申し訳ありません」と話している。

 郵政民営化後、これまで郵便局が行ってきた発送作業などを同組合が行わなければならず、「管理・発送体制が整っていない。トラブルがあればお客さまに迷惑を掛けてしまう」と悩む。「12月は繁忙期。専門に取りかかる人を雇わなければならず、人件費も膨らんでしまう。苦渋の決断だった」という。

 民営化後のふるさと小包の取り扱いの変更も影響した。発送する際に業者側が1個当たり10%の手数料を支払わなければならなくなる。郵便局に備えるチラシも3カ月ごとの更新が必要になり、作製費も業者側が負担しなければならない。販売価格を上げて発送する方法もあったが、「これ以上は上げられない」と断念した。

 「地球岬の三年貝」は昭和62年から登場。貝殻の大きさが12センチ以上もある3年もののホタテを使用。平成16年には日本郵政公社総裁感謝状が贈られるなど、「ふるさと室蘭の味」として、室蘭市内をはじめ全道・全国にリピーターが広がっており、室蘭を代表するふるさと小包の1つになっていた。

 「地球岬の山づけ」は平成7年から販売。太平洋で捕れた新鮮な秋サケを漬け込んで、昔風味の味を再現。同じくリピーターを中心に顧客を増やしていた。

 「3年貝」はシーズンで約5000個、「山づけ」は約400個をさばく人気商品だった。同組合は昨年購入した利用者に対し、休止を呼び掛けるはがきを発送した。「長年利用してくれたお客さまもたくさんいた。本当に申し訳ない」と述べ、今後については「来年以降、発送体制が整った状態で再開できれば」と話している。

 ただ、「山づけ」については、数量限定ながら同組合窓口で直接購入することができる。

 
【写真=ふるさと小包として販売してきた「地球岬の三年貝」。今シーズンの取り扱いは休止に】 


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