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目次 > 2007年11月12日放送の番組バックナンバー


特集/「患者と医療の信頼回復 妊婦死亡事故遺族が考える」
去年8月、奈良県の大淀病院で起きた妊婦搬送事故。出産中に脳内出血を起こした高崎実香さん(当時32歳)は、19の病院に転送を拒否された末、死亡しました。長男の奏太君はいま法廷で闘っています。あの日、何があったのか――真実を知るため、父親の晋輔さんとともに裁判の原告になっているのです。晋輔さんは「裁判に勝たなくても何らかの形で産科医療が変わってくれたら。実香の命を無駄にしたくない」と話します。

しかし、真実を求める道は平坦ではありませんでした。裁判で、病院側は「子どもを救った人(医師)に対し、命を救われた子供が、母親を救わなかった判断は誤りだと主張している。原告らの誤った認識、誤った主張に対しては、医療界を挙げて断固正していく」と答弁。インターネットの掲示板で「この夫には、妻を妊娠させる資格はない」と中傷されたこともありました。

それでも晋輔さんは、つらい思いを抱えながらも、医師と問題意識を共有することで、今の産科医療を変える力になりたいと思っています。シンポジウムで晋輔さんは訴えました、「大淀病院から搬送された先の先生はものすごい勢いで『何とかして助けたいと思います』と助けようとする意志を見せてくれました。結果的にすぐに亡くなってしまったが、最後みんなで頭下げて『ありがとうございました、お世話になりました』とお礼を言って帰りました。ブログで批判する医師とかはほんの一部やと思います。すごいいいお医者さんもたくさんいると思います」。産科医療が本当に改善される日まで、「母親の死が決して無駄ではなかった」と奏太君に伝えられる日まで、晋輔さんの道のりは続きます。
2007年11月12日放送

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