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【沖縄集団自決訴訟の詳報(5)完】大江氏「責任をとるとはどういうことなのか」 (2/3ページ)
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原「手榴弾を島民に渡したことについては、いろいろな解釈ができる。例えば、米英に捕まれば八つ裂きにされるといった風聞があったため、『1発は敵に当てて、もうひとつで死になさい』と慈悲のように言った、とも考えられないか」
大江氏「私には考えられない」
原「曽野綾子さんの『ある神話の風景』は昭和48年に発行されたが、いつ読んだか」
大江氏「発刊されてすぐ。出版社の編集者から『大江さんを批判している部分が3カ所あるから読んでくれ』と発送された。それで、急いで通読した」
原「本の中には『命令はなかった』という2人の証言があるが」
大江氏「私は、その証言は守備隊長を熱烈に弁護しようと行われたものだと思った。ニュートラルな証言とは考えなかった。なので、自分の『沖縄ノート』を検討する材料とはしなかった」
原「ニュートラルではないと判断した根拠は」
大江氏「他の人の傍証があるということがない。突出しているという点からだ」
原「しかし、この本の後に発行された沖縄県史では、集団自決の命令について訂正している。家永三郎さんの『太平洋戦争』でも、赤松命令説を削除している。歴史家が検証に堪えないと判断した、とは思わないか」
大江氏「私には(訂正や削除した)理由が分からない。今も疑問に思っている。私としては、取り除かれたものが『沖縄ノート』に書いたことに抵触するものではないと確認したので、執筆者らに疑問を呈することはしなかった」