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【沖縄集団自決訴訟の詳報(4)】大江氏「隊長が命令と書いていない。日本軍の命令だ」 (1/3ページ)

2007.11.9 20:11
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 《午後1時50分ごろ、大江健三郎氏が証言台に。被告側代理人の質問に答える形で、持論を展開した》

 被告側代理人(以下「被」)「著書の『沖縄ノート』には3つの柱、テーマがあると聞いたが」

 大江氏「はい。第1のテーマは本土の日本人と沖縄の人の関係について書いた。日本の近代化に伴う本土の日本人と沖縄の人の関係、本土でナショナリズムが強まるにつれて沖縄にも富国強兵の思想が強まったことなど。第2に、戦後の沖縄の苦境について。憲法が認められず、大きな基地を抱えている。そうした沖縄の人たちについて、本土の日本人が自分たちの生活の中で意識してこなかったので反省したいということです。第3は、戦後何年もたって沖縄の渡嘉敷島を守備隊長が訪れた際の現地と本土の人の反応に、第1と第2の柱で示したひずみがはっきり表れていると書き、これからの日本人が世界とアジアに対して普遍的な人間であるにはどうすればいいかを考えた」

 被「日本と沖縄の在り方、その在り方を変えることができないかがテーマか」

 大江氏「はい」

 被「『沖縄ノート』には『大きな裂け目』という表現が出てくるが、どういう意味か」

 大江氏「沖縄の人が沖縄を考えたときと、本土の人が沖縄を含む日本の歴史を考えたときにできる食い違いのことを、『大きな裂け目』と呼んだ。渡嘉敷島に行った守備隊長の態度と沖縄の反応との食い違いに、まさに象徴的に表れている」

 被「『沖縄ノート』では、隊長が集団自決を命じたと書いているか」

 大江氏「書いていない。『日本人の軍隊が』と記して、命令の内容を書いているので『〜という命令』とした」

 被「日本軍の命令ということか」

 大江氏「はい」

 被「執筆にあたり参照した資料では、赤松さんが命令を出したと書いていたか」

 大江氏「はい。沖縄タイムス社の沖縄戦記『鉄の暴風』にも書いていた」

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