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6カ国協議:韓国政府高官、「裏合意」認める

 韓国政府高官は8日、「北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の10月3日の合意で、北朝鮮の核無能力化措置を前提に、米国は北朝鮮を年末までにテロ支援国指定から解除、敵性国貿易法の適用を終えることで合意した」と明らかにした。この高官はワシントンで行われた特派員懇談会で、「(10月3日の合意には)北朝鮮が核無能力化に合意した項目も、5カ国が実施する内容の項目もあるが、その中にはテロ支援国家および敵性国貿易法の解除問題も含まれている。(こうした措置は)年末までに実行することにしたもの」と述べた。政府高官が10月3日の合意にテロ支援国家はもちろん、敵性国貿易法までを含む「裏合意」があったことを認めたのはこれが初めてだ。

◆北朝鮮の国際社会仲間入りなるか

 政府高官によるこの日の発言は、まず北朝鮮の核無能力化措置の履行が進めば、早期にブッシュ米大統領が北朝鮮をテロ支援国家リストから外し、敵性国貿易法適用中止措置を発表する可能性があることを示唆したものだ。こうした措置が実現すれば、北朝鮮は国際社会の仲間入りを果たし、米朝関係の正常化に前向きなムードとなるものとみられる。

 北朝鮮は1987年の大韓航空機爆破事件により、翌88年テロ支援国家に指定された。2002年にはブッシュ大統領が「悪の枢軸」と名指しした。

 テロ支援国家リストから外されることになれば、北朝鮮には国際通貨基金(IMF)をはじめとする国際金融機関のブラックリストから抜け出る道が開かれる。また民間・軍両用の重複用途品目に対する対北朝鮮輸出規制も解除が可能になる。これにより、北朝鮮に最新鋭のコンピューターや化学物質が輸出されるようになるかもしれないのだ。

 1950年から北朝鮮に適用されている敵性国貿易法の適用が解除されれば、米国内にある北朝鮮資産の凍結も解除され、米金融機関との取引も可能になる。米財務省は6・25戦争(朝鮮戦争)勃発後、敵性国貿易法に基づき北朝鮮との貿易・金融取引を全面禁止してきた。敵性国貿易法の適用から解除されれば、約1400万ドル(約15億5000万円)と言われる米国内にある北朝鮮資産の凍結も解除されるかもしれない。

◆実行は来年初めごろか

 しかし、年内にすぐ両措置が行われるかどうかについては北朝鮮の核無能力化の進行速度にかかっている。米国側は、北朝鮮がこれまで一度も定められた期間内に約束を履行したことがないことを例に、「無能力化措置は少し遅れるだろう」とみている。韓国政府高官もこの日、「さまざまな事情から(核無能力化とテロ支援国家・敵性国貿易法解除措置は)延期される可能性もある」と話している。

 だが、北朝鮮は寧辺の5メガワット原子炉をはじめとする核施設の無能力化措置に着手しているだけに、両措置の実行は今や時間の問題との声もある。また、「米政府は議会にテロ支援国家指定解除発効日の45日前までに北朝鮮が変化していることを保障する証明書を送らなければならない」という規定があるが、一部ではこの手続きが省略される可能性もあるとしている。

 日本は拉致被害者問題が解決していない状態で米国がテロ支援国家から北朝鮮を外そうとしていることに依然として反発している。しかし、最終的にはこの問題は「北朝鮮の非核化」を最大の目標としている米国の決定を揺るがす要因にはならないだろう。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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