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紀元会集団暴行:窪田容疑者「暗黙の指示」 起訴の信者「信仰心示した」 /長野

 ◇「加担で信仰心示した」

 「大神様の孫に失礼なことをした」--。そんな容疑者の理不尽な怒りが奥野さんへの暴行につながっていた。

 宗教法人「紀元会」(小諸市)の信者による集団暴行で奥野元子さん(当時63歳)が死亡した事件で、長野地検は5日、同会幹部の窪田康子容疑者(49)=犯人隠避教唆容疑で同日再逮捕=ら信者15人を起訴した。調べでは事件は窪田容疑者の指示だったことが判明。暴行も執ようで悪質なものだった。小諸署捜査本部では動機の解明を進めている。

 地検の調べなどによると、奥野さんは窪田容疑者の指示で現場に連れて来られた。容疑者自身は否認しているが、他の信者の供述から、呼び出しには暴行を前提にした「暗黙の指示」があったとされる。避妊具の一件を聞いた信者が「大神様の孫に……」と激高し、暴行がエスカレートした。

 最初に手を出したのも窪田容疑者だったという。容疑者は「内ももが痛いからそこに乗れ」などと指示し、他の信者らに奥野さんの内ももや上腕部を執ように踏ませた。また少女らに「(奥野さんたちのせいで)神子になれなかったらどうする」などと迫り、跳びげりをさせたとされる。またおもちゃの拳銃を突き付けたり、プロレスまがいの関節技も掛けさせたという。

 起訴された信者は一様に同容疑者の指示、主導を認めている。「暴行に加わらないと信仰心を示せない」と考えた信者もいたという。一方で窪田容疑者は「背中をけった」と暴行は認めているが、指示については否認している。

 同地検の処分では、15~17歳の少女4人を長野家裁に送致。「刑事処分相当」の意見を付けた。また小諸市甲の無職、江本よしみ(81)と、東御市海善寺の同、柳橋かをる(72)の2容疑者については「暴行にほとんど加わっていない」として処分保留で釈放した。高森高徳次席検事は「一度に15人を起訴する事件は極めて異例」とコメントしている。

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 ◆事件の経過◆

 9月24日午前10時  紀元会の「勉強会」が始まる

    同日午後 5時  勉強会終了後に集会。教祖は退席したとされる。その後、奥野さんの次女夫婦への暴行始まる

    同日午後11時半 奥野さんが呼び出され集団暴行

   25日午前 1時半 夫の和宏容疑者が擬装工作指示し、小諸市内の病院に搬送

    同日午前 3時半 奥野さんの死亡確認。病院から警察に通報

    同日夕      和宏容疑者ら4人を傷害致死容疑で逮捕

10月初旬        和宏容疑者らのうそが発覚

    5日       次女夫婦を証拠隠滅容疑で逮捕

   15日午前 6時半 教団関連施設への強制捜査開始。小諸署に捜査本部を設置

    同日夜      窪田容疑者ら21人を同容疑で逮捕。和宏、長女の森久里子両容疑者を同罪で起訴

   17日       和宏容疑者を犯人隠避教唆の疑いで再逮捕

   21日午後 6時  紀元会側が小諸市内で会見。教団の組織的な関与を否定

   26日       次女の森美智子、その夫の池勇治の両被告を犯人隠避の罪で起訴

   27日       集団暴行にかかわったとして新たに女性信者6人を傷害致死容疑で逮捕

   28日       女性信者1人を傷害致死容疑で逮捕

11月 5日       15人を同罪で起訴。4人は家裁送致、2人は処分保留

毎日新聞 2007年11月6日

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