MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース:事件 犯罪・疑惑事故・災害裁判写真RSS feed

「画期的」「無原則な解禁疑問」…混合診療判決に波紋

2007.11.7 20:29
このニュースのトピックス暮らし

 「混合診療」への保険適用を認める初判断を示した7日の東京地裁判決は関係者らに波紋を呼んだ。原告の清郷(きよさと)伸人さん(60)は「厚生労働省は全面解禁すべきだ」と語ったが、厚労省は「解禁の予定はない」と反発。一方で、混合診療解禁を求めている患者支援団体からは「無原則に認めるのは問題」との声もあり、問題は複雑な様相を呈している。

 混合診療は、保険診療に自己負担で未承認の診療や薬を上乗せするもの。医療費は全額が自己負担になる。厚労省は昭和32年の省令に基づき混合診療を原則禁止し、違反した場合は病院に保険を給付しないなどの罰則もある。

 「全額自己負担になることで、望む医療を受けられず、命を落とすこともある。生存権の侵害に当たるのではないか」。清郷さんは判決後、混合診療を禁止する厚労省への憤りを隠さなかった。

 一方、厚労省は「有効性、安全性が確認されていない未承認の治療で患者が不利益を受けることを防ぐため」と混合診療禁止の理由を説明。解禁の予定はないという。

 日本医師会も混合診療には反対の立場。「お金のある人はより高度な医療を受けられるようになるが、貧しい人は限られた医療しか受けられなくなる」と主張している。

 患者側からは、特にがん治療で混合診療解禁を求める声が強い。がん患者支援団体「NPO法人キャンサーネットジャパン」事務局長の柳沢昭浩さんは、「国際的に有効性が確認されながら国内では未承認の抗がん剤を使ったら、医療費が全額自己負担になるのはおかしい」と訴える。

 ただ、柳沢さんは「無原則に混合診療を認めるのには慎重にならざるを得ない」とクギを刺す。有効性がまったく不明な民間療法のような診療にまで混合診療を認めることは、患者を危険にさらす恐れがあるためだ。

 柳沢さんは「混合診療解禁には何らかのガイドラインが必要だろう」と、部分的解禁の立場を取っている。

関連トピックス

広告
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2007 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。