2006年5月のVOICEでお伝えした、京都産業大学にバイクで通う学生たちの交通マナー。
2列になったり、信号を無視したり。
傍若無人に振る舞うバイクに、近隣住民が当惑する様子をお伝えしました。
しかし、他の大学でもありました。
関西屈指の名門『同志社大学』。
京田辺キャンパスでは、およそ2万人が学んでいます。
ところが、その学生の通学マナーに近所の人たちが困り果てているというのです。
午前10時ごろ。
朝の授業に出席するために大学へ向かう学生の列です。
多くの学生が駅の高架を降りて、大学が定めた正規の通学路を歩いていきます。
ところが、なぜか別の方向に向かう学生たちがいます。
京田辺キャンパスに通う学生が利用する『近鉄・興戸(こうど)駅』。
ここから大学には2つのルートがあります。
歩道橋を渡る正規のルートよりも、どうやらそれとは別のルートを通る学生の方が多いようです。
その途中にあるJRの踏切では、降りている遮断機をすり抜けて、強引に渡っていく学生の姿も。
急いでいるのはわかりますが、とても危険です。
さらに、横断歩道のない場所では、1人が渡り始めると、次々と後に続きます。
その数、半端じゃありません。
事故にもつながりかねません。
まるで歩行者天国のように勝手に学生が横切る道路。
ここから100メートルほど先には横断歩道があるのですが、そのちょっとの距離を進むのが、おっくうなのでしょうか。
しかも、よく見てみると、ここには大学から派遣されている警備員が立っています。
道路を横断しないよう注意しますが、学生は無視。
警備員の指導も全く意に介さず、次から次へと渡っていきます。
<警備員>
「渡らないように、まっすぐ行くように指導している。それでも渡る。渡った方が早いのはわかるが。なんぼ言っても渡りますわ」
警備員もあきれ顔です。
なかには、車の合間をぬって渡ったり、道路の真ん中を堂々と歩く生徒も。
学生たちのわが物顔の横断にバスも止まらざるをえません。
ゆっくりと速度を落として走る車が目立ち、走りづらそうです。
<近くに住むドライバー>
「ちょっとしたすき間にどんどん入ってきて、ひきそうになる。待ってる方が事故起こらないと思って」
「(クラクション鳴らしても)譲らないで、こっちが悪いことしてるみたいに、にらみつけてくる」
しかし、さらに問題があるというのです。
あるビルの中から続々と出てくる大量の学生。
通り抜けてくるこちらの通路、実はテナントビルの駐車場なのです。
テナントの従業員やお客さんが利用しています。
そんな民間の私有地を、ほとんどの学生が堂々と通り抜けていくのです。
テナントの人たちにとっては大迷惑なようです。
<テナント入居者>
「ここが道路やと思ってますねん。その認識ですわ。ここは道路じゃない、敷地の中。極端に言えば不法侵入」
学生たちを直撃すると…。
<学生>
(Q.通行禁止では?)
「え、知らない。皆通ってる」
(Q.駐車場だから迷惑では?)
「皆やってるし大丈夫じゃないですか?」
学生は当たり前のように通っていますが、“通り抜け禁止”という看板が、はっきりとあります。
通り抜けた先には警備員が立っているんですが…。
<テナント入居者>
「警備員は(通り抜けた先の道路を)渡らないようにするだけ。ここ(駐車場内)を通らないようにする警備員は立っていない」
そこで、警備員になぜ注意しないのか聞いてみると…。
<警備員>
(Q.駐車場を通らないよう注意は?)
「しない。それは大学に言ってください。駅から歩道橋を通るように指導してもらわんと」
テナントの人たちがとても困っているということを、大学は知っているのでしょうか?
<同志社大学・内藤暁吾 京田辺校地総務部長>
「ご迷惑をおかけてしていることに対しては、誠に申し訳なく思います。入学式から4月の間は通学指導を習慣づけるためにしているが、その後、1年中というわけにはいかないのが実情。大多数の学生は専用通学路を歩いているはずですが…」
大学側は「大多数は正規の通学ルートを通っているはず」と話します。
しかし、通り抜けは、朝の一時だけなく、下校時でも…。
また雨の日には、狭い路地やビルの下が傘をさす学生でいっぱいになります。
テナントの関係者も「大学には何度も苦情を言ったが、なんら対応をしてもらえず、あきれている」と怒り心頭です。
きちんと大学が定めた通学路を通る学生たちは、こうした身勝手な学生のマナーをどうみているのでしょうか?
<学生>
「こっち(正規の通学ルート)が正しい道と言われているので」
「大学生としてモラルがないんじゃないかなと思いますけど」
横断歩道のない道路を渡ったり、通行禁止の私有地を通り抜けたり。
自分たちの行動がどう見られているか、大学生ともなれば、わからないはずはありません。
近所の人たちがどんなに迷惑しているのかも考えてほしいものです。
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