逮捕されたのは、東京の防衛商社「山田洋行」の元専務の宮崎元伸容疑者（６９）と、元役員の今治友成容疑者（５７）です。また、東京地検特捜部は、アメリカの子会社の元社長でアメリカ在住の秋山収容疑者（７０）の逮捕状をとりました。調べによりますと、宮崎元専務は、会社を辞めたあとの去年９月からことし１月にかけて、アメリカにある子会社の「ヤマダインターナショナルコーポレーション」の資金、１００万ドル、日本円にして１億１０００万円余りを秋山元社長に指示して不正に引き出した疑いがもたれています。資金の一部は、宮崎元専務が新たに作った商社「日本ミライズ」の設立資金などに流用されていたということです。また、宮崎元専務と今治元役員は、山田洋行から取引先を奪うため、販売代理店の契約書を勝手に書き換えていた疑いももたれています。特捜部は、宮崎元専務の指示で不正な経理操作が行われた疑いが強まったとして、業務上横領などの疑いで逮捕したもので、不正な資金の流れについて捜査を進めることにしています。さらに特捜部は、元専務による接待の実態や、防衛装備品の調達をめぐって不正な働きかけがなかったかについても解明を進めるものとみられます。逮捕された宮崎元専務が設立し、今月１日まで代表取締役を務めていた防衛商社「日本ミライズ」は「逮捕されたことはまことに遺憾で、世間をお騒がせし、ご迷惑をおかけしていることをおわび申し上げます。捜査には協力し、事実が解明されることを待ちたいと思います」というコメントを出しました。