大阪市の犬の保護団体「アーク・エンジェルズ」(林俊彦代表)が高島市今津町酒波の団体施設に病歴のある犬を持ち込もうとしている問題で、地元住民と団体の話し合いが6日夜、酒波区の集会所であった。両者は、施設内を住民らに公開することや、施設横の水路の水を生活用水として使う住民の様子を林代表らが視察することで合意した。
話し合いは4回目。地元の進出反対期成同盟役員ら約15人と、団体の林代表ら3人が交渉に臨んだ。搬入が予定されている皮膚病の疥癬(かいせん)に感染した犬について、団体側の獣医師が「完治した」と保証したうえで「犬の疥癬は人や野生動物に感染しないと考えられる」と説明。住民らは「完治したと言われても再発の不安などは消えない」と応じた。
最後に仲介役の市が、住民の施設見学と林代表らによる地元視察を提案し、双方が受け入れた。
しかし、閉会間際に期成同盟の関係者が「団体の実態がつかめない」などと指摘し、林代表が「信用できないのなら、もういい」と語気を強める場面も。話し合いの継続について、林代表は「できるだけ努力する」とだけ言い残して席を立った。【近藤修史】
毎日新聞 2007年11月8日