九州新幹線鹿児島ルートの部分開業に合わせ、JRから経営分離して発足した第三セクター、肥薩おれんじ鉄道が04年3月の発足以来、数年で早くも厳しい経営を強いられている。
この報道を見るたびに、04年秋の段階で経営悪化を「予言」していた佐賀県鹿島市の桑原允彦市長のことを思い出す。
鹿島市周辺の長崎線も、おれんじ鉄道同様に新幹線開通後はJRが「経営分離」を打ち出している区間だ。桑原市長は04年秋におれんじ鉄道を視察し、その直後に「三セクでは、鉄道の存続は絶対に無理だ」と訴えた。その後も、経営分離に反対し、新幹線の着工に同意していない。
三セク化後のおれんじ鉄道が九州一円のニュースになることはあまりないが、その経営状況は飛び火して長崎ルート着工問題にも影響を与える。今後も注目していきたい。
毎日新聞 2007年10月30日