小樽の2市立病院の患者数が激減している中で、病床利用率も4年連続で70%を切り、昨年は、なんと、50%を切る49.6%となっていることが分かった。
小樽病院と第2病院の市立2病院で、この数年、外来・入院患者数が激減しており、市民の“樽病”離れが進んでいるが、同時に、病床利用率も激減している。
市立2病院の病床数は、小樽病院540床、第2病院350床の計890床あった。しかし、小樽病院では、2006(平成18)年6月に、一般病床を内視鏡室とリハビリ室に変更し、22床減少し518床となった。減少した22床分は、国に返上している。
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小樽病院
(病床数540) |
第2病院
(病床数350) |
合計
(病床数890) |
2006年 |
42.7% |
59.9% |
49.6% |
2005年 |
55.8% |
67.7% |
60.5% |
2004年 |
60.3% |
72.1% |
64.9% |
2003年 |
64.2% |
73.2% |
67.7% |
※ただし、小樽病院の病床数は、2006年7月より、518 床 |
2003(平成15)年度から2006(平成18)年度までの利用率を調べると、2病院の病床数890床に対し、2003(平成15)年度には67.7%、2004(平成16)年度には64.9%、2005(平成17)年度には60.5%、2006(平成18)年度には49.6%と、減少し続けている。
小樽病院事務局では、「昨年の平成18年、糖尿病や血液、リウマチなどの専門医師が、他の病院に移ったため、週一で大学から医師が派遣され、外来で対応しているが、医師が常勤ではないので、入院患者を置けなくなり、病床利用率が減った。また、小児科医師が2人から1人に減り、出産時に現場に立ち会ったり、すぐに病院に駆けつけることが出来ないため、小児科とともに産科も休止した。これらが病床利用率の減少の大きな要因」という。
総務省が10月29日にまとめた公立病院改革ガイドライン(素案)で、全国の自治体病院は、2008(平成20)年度に改革プラン策定をもとめられ、経営指標として数値目標を設定することが必要となる。この数値目標として、経常収支比率と職員給与費比率とともに、病床利用率の3つが重要な指標とされることになっている。
「病床利用率がおおむね過去3年間連続して70%未満となっている病院については、本改革プランにおいて、病床数の削減、診療所化等の抜本的な見直しを行うことが適当である」と、指摘されている。
小樽の市立2病院では、過去4年の病床利用率が70%を切っているが、山田勝麿市長は、「今年は70%を越えている」としている。しかし、総務省では「おおむね過去3年間連続」としており、これまでの数字を見ると、国から抜本的見直しを迫られることが確実な状況だ。
このため、市立病院では、患者数や病床利用率などの早急な改善がもとめられることになる。
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