2007年11月04日 更新

新外国人補強リストに現役メジャー・フィリップス

 阪神が来季の新外国人選手として米大リーグ、ヤンキースのアンディ・フィリップス内野手(30)=写真=の獲得を目指し、リストアップしていることが3日、わかった。同じヤ軍のダグ・ミンケイビッチ内野手(33)、マーリンズのアーロン・ブーン内野手(34)も視野に入れている。FA獲得を目指す広島・新井貴浩内野手(30)の動向をにらみ、最終調整に入る。

 狙うはバリバリのメジャーリーガー。阪神が来季の新助っ人に大物内野手を調査していることがわかった。南球団社長、沼沢球団本部長、黒田編成部長が秋季キャンプ地・安芸に集結。岡田監督の意見を聞くため、一塁手、三塁手のビデオを持ち込んだ。

 「ある程度(候補者は)固まっている。あとはA、B、C、Dのどの案でいくか。FAとのからみがあるので、それをにらみつつになります」と南球団社長が明かした。

 広島・新井がFA宣言し、獲得に成功すれば三塁を任せる予定。一方で、シーツが今季限りで解雇が決定的なため、一塁を任せる大砲も必要となる。

 そこでリストアップしたのが、ヤンキースのフィリップス。今季61試合で打率.292、25打点の右打者。2本塁打ながら「日本に来れば大砲に化ける可能性はある」と球界関係者は証言する。

 ただ、高打率で評価が急上昇しているため、ヤ軍が簡単に放出するとはみていない。そこで視野に入れているのが、同じヤ軍でフィリップスと一塁の座を争った左打者のミンケイビッチ。今季70試合で打率.277、5本塁打、24打点。FA選手で、年俸も約1億7000万円と常識の範囲内というのも好材料。

 ある球団幹部は「右、左と、とりあえず両方の打者を準備している。岡田監督の意向もありますから」という。右の大砲の補強が基本線ではあるが、左のミンケイビッチも候補者になりうる。

 もし新井が獲得できなかった場合は、右の三塁手、マーリンズ・ブーンも視野に入ってくる。今季は5本塁打ながら、メジャー通算120本塁打と実績は十分だ。

 南球団社長は「どこかで区切りはつけたい」と、FA戦線と並行して、外国人補強の最終調整に入る。長打力不足に泣いた07年。和製大砲・新井と舶来砲のダブルゲットが理想の形だ。

■アンディ・フィリップス(Andy Phillips)

 1977年4月6日、米アラバマ州生まれ、30歳。99年ドラフト7巡目でヤンキース入団。04年9月にメジャーデビュー。今季は61試合に出場、打率.292、2本塁打、25打点。通算成績は4年間で203試合に出場、打率.253、11本塁打、60打点。1メートル83、92キロ。右投げ右打ち。背番号12。

■ダグ・ミンケイビッチ(Doug Mientkiewicz)

 1974年6月19日、米オハイオ州生まれ、33歳。95年ドラフト5巡目でツインズ入団。レッドソックス、メッツ、ロイヤルズを経て、2007年ヤンキース移籍。今季は72試合に出場、打率.277、5本塁打、24打点。通算成績は11年間で942試合に出場、打率.271、64本塁打、372打点。1メートル88、92キロ。右投げ左打ち。今季年俸150万ドル(約1億7300万円)。背番号11。

■アーロン・ブーン(Aaron Boone)

 1973年3月9日、米カリフォルニア州生まれ、34歳。94年ドラフト3巡目でレッズ入団。ヤンキース、インディアンスを経て、07年マーリンズ移籍。今季は69試合に出場、打率.286、5本塁打、28打点。通算成績は10年間で1038試合に出場、打率.265、120本塁打、527打点。1メートル88、91キロ、右投げ右打ち。今季年俸92万5000ドル(約1億600万円)。背番号8。

★タ軍ケイシーも

 阪神の外国人補強ポイントは一、三塁手。基本線は右打者ながら左打者も視野に入れたことで選択肢は広がり、他に希望と合致する選手も増える。FA市場に出ているタイガースのショーン・ケイシー内野手(33)は「5億円以上の資金が必要」(球界関係者)とみられているが、通算126本塁打と実績は折り紙付き。同じFAのダイヤモンドバックス・トニー・クラーク内野手(36)は通算244本塁打のスイッチヒッター。もうひと花咲かせる可能性があり、候補に挙がってもおかしくない。