静岡新聞購読のご案内
出版物のご案内
2007/10/31 15:45更新
●サイトマップ ●検索
ログアウト

社会
スポーツ
経済
政治
国際
動画ニュース
47news
47club
社会
政治・経済
文化・芸術
スポーツ
地域ニュース
浜松・西部
中部
東部
動画ニュース
※ プレイヤ-をお持ちでない方は、ここからダウンロ-ドして下さい。
Windows Media 225k
Real Player 225k
西部
曇りとき
どき
晴れ
中部
曇りとき
どき
晴れ
東部
曇りとき
どき
晴れ

伊豆
曇りとき
どき
晴れ
J1リーグ第30節
東京株式31日終値
<225種>16737円63銭
東京外国為替市場31日
15時現在
114円64銭-69銭
守屋喚問
【寄稿・わが至福の時】紅葉の妙高・火打山【エトセトラ】高速SAで犬用弁当販売【旅・食】「また観光で来 ・・・[記事全文]
  県内大学をナビゲート。業績、人物、話題などを紹介
 ホーム > デジ記者Webレポート
デジ記者Webレポート

じわり人気上昇中!高速バスで県外へ

2007/10/27




 静岡県内を走る高速路線バスは、と聞かれて「青い車体にツバメマークのハイウェイバス」しか思い浮かばなかった方、少々時代に乗り遅れているかもしれません。高速路線バスの先駆者、JRハイウェイバスも健在ですが、2年ほど前から県内のバス事業者も加わり、主に首都圏方面への新規路線開設が相次いでいます。路線によっては週末や休日には予約が取りにくい日もあるというから驚かされます。この間、廃止・休止された路線はほとんど見られず、「おおむね(収支は)とんとんか若干の黒(字)では」(県バス協会)といいます。なぜここ数年、ぐんと路線が増えたのでしょう。なぜ利用者に受けているのでしょう。今回のデジ記者レポートは県内の高速路線バス事情を追いかけてみたいと思います。静岡新聞社・静岡放送のパソコンサイト・携帯サイトで多くの皆さんに協力いただいたアンケート結果もご報告します。




 県内発着の高速バス路線がどれだけあるのか、主な路線をまとめてみました。
 平成17年には中部国際空港(セントレア)開港に伴い、遠州鉄道、富士急行、静岡鉄道が県内からの直通バスを新設しました(後に富士急は休止)。遠鉄の運行は当初1日14便でしたが、今は行き23便、帰り27便と倍増に近い勢いです。
 遠鉄によると、昨年5月までに磐田インターチェンジ、掛川インターチェンジに駐車場を順次設置。バス停まで自家用車で来てバスに乗り換える「パーク&ライド」の利用者が増えるなど、順調に利用客が推移しているといいます。
 昨年は富士急の沼津-渋谷・新宿線、JR東海バスの渋谷・新宿ライナー浜松号など東京の副都心部に直結する路線が登場。新幹線利用には若干不便な清水からは東京駅に直結するJRバス関東・JR東海バスのしみずライナー(今年5月からしずてつも共同運行に参加)が「週末を中心に利用好調」(しずてつ)で、現在1日7往復が運行されています。今年に入ってからもJR東海バスの渋谷・新宿ライナー静岡号、しずてつの新静岡新宿線(駿府ライナー)が新設されました。
 富士急シティバスによると、沼津-渋谷・新宿線は当初、1便9人程度だった平均乗車人数が現在では14人まで増加しています。大半を占める沼津からの利用客のニーズにこたえ、午前沼津発に重点を置いたダイヤ改正などが功を奏し、「まだ安定した収支ラインに達しているとは言えないが、(路線の存在や利便性が)浸透してきていることを実感している」といいます。11月1日から期間限定で平日限定格安回数券を販売するなど、さらなる需要喚起に力を入れます。

<主な路線一覧>


注)共同運行路線については県内に本社があるバス事業者の枠に分類しています。





 都市間輸送の2本柱、新幹線と航空機は近年、激しいシェア争いを繰り広げ、相次ぐモデルチェンジによる速度アップやターミナルへのアクセス向上を進めています。利用者のニーズが時間短縮による利便性向上にあることは明らかです。それならなぜ、時流には逆行する高速路線バスが脚光を浴びるのでしょうか。
 後ほど報告するアンケート結果からも垣間見られますが、すぐに思いつくのは「速さ」より「安さ」を求める市場が増大しているということでしょう。「安さ」と「速さ」の2分極化と言えるかもしれません。しかし、それだけではありません。取材を進めていると、一般路線バス事業が縮小の一途をたどる中、何とか活路を見出したいというバス事業者側の思惑も浮かんできます。
 不況感、困窮感、せわしない暮らしを避ける「スローライフ」志向の広まり…といった市場の現状、路線開設・新規参入などの国の規制緩和、バス事業者の思惑などがタイミングよくマッチしたことが背景と言えそうです。静岡県バス協会としずてつジャストラインで話を聞きました。

 
静岡県バス協会・平野洋一専務理事

  

 
しずてつジャストライン・村松靖英営業課長

      
 ※プレイヤ-をお持ちでない方は、ここからダウンロ-ドして下さい。





   今回の特集に向けて10月10日から15日まで、ShizuokaOnline.comと携帯サイトで、高速路線バスの利用状況などに関するアンケート調査を実施し、294件の回答をいただきました。



 月2回以上利用している人と利用経験があり、再び利用したいと考えている人が全体の61%と、利用に好意的な層が過半数に上り、今後の利用はない(経験はあるが今後はしない+経験もなく今後もしない)と考えている人は11%にとどまりました。利用経験はないが今後利用したいと考えている利用予備層は28%いました。


 高速バス最大の魅力を聞いた設問では、「運賃の安さ」が65%で突出し、「乗り換え要らず」「ゆっくり旅が楽しい」「乗り心地がいい」が続きました。逆に、今後の利用はないという人たちからは避ける理由として、「渋滞に巻き込まれる」「乗り心地が悪い(悪そう)」「自家用車や電車の移動がよい」の順に多く回答がありました。

 
しずてつジャストライン・村松靖英営業課長

 


 高速バスへの意見、要望(自由記入)には約200人の方から回答があり、大きく分類すると、「座席スペースが窮屈。もう少し広げてほしい」「座席指定で異性の隣に座りたくない」など乗り心地や車内の快適性の改善を求める意見が最も多くを占めました。関西、北陸、中国地方への夜行バスの新設など「路線数の拡大」、首都圏発県内行きの夜行便増車、最終便の時間変更など「夜間の利便向上」を求める声も多くありました。
 こうした要望について、再びしずてつジャストラインに話を聞きました。






 高速路線バスの採算安定ラインは一概には言えないものの「1便平均15-20人」(県バス協会)。必ずしも現在の全路線が今後も長期継続されるとは言い切れない状況ですが、乗り換え要らずで最寄り駅やバス停から東京や関西など遠く離れた場所まで行けるとなれば、お年寄りや障害を持つ方たちの行動範囲を広げるチャンスにもつながります。路線の維持、拡大の流れが続くことを望みたいと思います。
 最後に一つ強調しておきたいことがあります。「安全運行対策」です。高速路線バスはよほどの長距離や夜間運行ではない限り「ワンマン」です。車庫を出てしまえば、後は運転手1人に乗客全員の安全が託されてしまいます。頻発した貸切ツアーバス事故などを受けて、県バス協会や各事業者が安全講習、点検などを強化していますが、限界があると言わざるを得ません。将来的には衝突防止システム、居眠り防止(感知・警報)装置の搭載を義務化するなど、運転手を機器などでサポートする体制の充実も求められることでしょう。私たち乗客側も自らを守る意識を高め、シートベルトを装着するなどの安全措置に協力しなければなりません。
 最後に、アンケート調査にたくさんの皆さんのご協力をいただきましたことに、あらためて御礼を申し上げます。引き続き、皆さんのご意見や思いを反映して取材を進める手法を積極的に検討していきます。(デジタル編集部 松本直之)

バックナンバー
著作権について プライバシーポリシー リンクポリシー携帯サイトについてバナー広告についてRSSについて
静岡新聞社・静岡放送オフィシャルサイトに関するお問い合わせ、ご意見などは、 webmaster@shizuokaonline.com まで。
All rights reserved by The Shizuoka Shimbun and Shizuoka Broadcasting System.
shizuokaonline.com に掲載の記事・写真および図版の無断転載を禁じます。