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<劣化ウラン弾>健康懸念し検査徹底 米国で州法制定相次ぐ

10月28日20時57分配信 毎日新聞


 【ワシントン大治朋子】湾岸戦争(91年)やイラク戦争(03年開戦)で米軍が使用した劣化ウラン弾に関し、健康被害を懸念する米国の一部の州が、帰還兵への健康検査の徹底を求める州法を制定している。05年のコネティカット州を皮切りにニューヨークなど8州が制定。健康検査は国防総省などの所管だが、その検査方法をめぐっては批判も強く、連邦政府に改善を迫るものだ。

 日本や米、英、仏など25カ国の90団体が賛同・参加する非政府組織(NGO)「ウラン兵器禁止を求める国際連合」の調査によると、このほか全米で22州が同様の州法制定を検討している。

 コネティカット州では湾岸戦争の女性帰還兵、メリッサ・ステリーさん(45)らが州議会に対し制定を訴えた。ステリーさんは91年10月、クウェートに設置された米陸軍基地で戦車などの清掃を担当。間もなく筋肉のけいれんや血便、血尿、肺炎に悩まされ翌年1月、帰還した。

 軍の病院で治療を受けているが症状は改善されず、原因は不明のまま。ステリーさんは「劣化ウラン兵器とは知らされず、マスクも着けずに清掃して汚染物質を吸引したのが原因」と訴えたが、十分な検査を受けられずにいるという。

 ステリーさんは同州議会で国の検査の問題点を証言し、議会は「被ばくしたと信じるに値する理由のあるすべての帰還兵が、少量の劣化ウランも検出可能な精密な検査を受けられるよう支援する」と定めた州法を制定した。

 国は劣化ウラン弾の発射時に至近距離にいた兵士らを中心に検査を行っているが、「精密さに欠ける」との批判がある。国の検査で被ばくなしとされた帰還兵が、ほぼ同時期に海外の民間機関で被ばくありとなった例もある。同州法は健康への影響を州独自に調査する作業部会の設置も定め、国の検査を州側がチェックする機能を持たせた。

 国の健康検査の一部を担当する米退役軍人省ニューヨーク支部のジョージ・バシャー支部長は「国の検査方法を州法で変えることはできないが、国の検査が十分ではないと考える人々がこうした州法の制定を進めているようだ」と話している。

 【劣化ウラン弾】 天然ウランを核燃料に加工する過程で発生する放射性廃棄物の劣化ウランを利用した弾丸。比重が大きく、貫通力に優れている。着弾時に微粒子が飛散し、吸引すると、がんや白血病を招くとの指摘がある。「ウラン兵器禁止を求める国際連合」によると、現在少なくとも米英仏など世界20カ国が保有。日本では米軍が95年から翌年にかけて沖縄の鳥島で同弾1520発を「誤射」していたことや、沖縄・米空軍嘉手納基地に約40万発(01年当時)が保管されていたことが発覚し問題となった。

最終更新:10月28日22時8分

フレッシュアイニュース

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