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水俣病救済策、決着まで課題山積…訴訟派とチッソ説得へ

 水俣病未認定患者の新たな救済策について、与党プロジェクトチーム(PT、座長・園田博之衆院議員)は26日、都内の会合で、一時金150万円・療養手当月額1万円の支給と医療費の自己負担分の補償を柱とする最終案を決定。これに対し、受諾に前向きな団体がいる一方で、訴訟派の2団体からは改めて反発の声が上がった。「全面決着」には多くの会員に訴訟を取り下げてもらい、チッソから一時金の財源負担の了承を取り付けることが不可欠。今後、園田座長と訴訟派団体の話し合いや、チッソとの合意の成否が最終解決のカギとなる。

 政治決着の行方を左右する訴訟派団体。「加害責任のある国が救済対象者を選別するのは不合理」「公正な救済は裁判所しかできない」として集団訴訟を起こし新救済策を拒んでいる。PTが新救済策の申請期限を設けたことに加え、医療費の自己負担分が全額支給される現行の「新保健手帳」の申請期限も定めるとした決定を強く批判。今後も訴訟を続けると、敗訴時点で手帳の申請期限が過ぎていた場合は全く救済されないことになるからだ。

 「水俣病不知火患者会」(約2000人)の大石利生会長(67)は「裁判をやめさせて団体を切り崩す手段だ」と、訴訟の継続を断言。「水俣病被害者互助会」(約150人)の佐藤英樹会長(52)も「新救済策に応じるよう強制するものだ」とした。

 チッソも両団体が訴訟を継続したままでは新救済策に応じるのは困難だ。

 同社は1995年、最終的・全面的解決になると説明され、一時金など約317億円を負担した。しかし、この政治決着に唯一応じずに継続した「関西水俣病訴訟」で2004年、最高裁が国と熊本県の賠償責任を認め、現行の認定基準よりも緩やかに水俣病をとらえる判断を示したことを機に認定申請者が急増し、水俣病問題は混迷した。今回についても「訴訟が残るようでは、一時金の負担には踏み切りにくい」(同社幹部)としている。



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