音声ブラウザ専用。こちらより記事見出しへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより検索フォームへ移動可能です。クリック。

NIKKEI NET

GE、白熱電球部門の縮小加速

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ゼネラル・エレクトリック(NYSE:GE)は4日、同社で128年の歴史を持つ白熱電球部門の縮小を加速させるリストラを発表した。エネルギー効率の良い照明に転換するという世界での動きに対応するため。

 同社によると、2008年11月までに白熱電球部門の54カ所の工場と倉庫のうち7カ所を閉鎖し、従業員1400人を削減する。これにより、同部門の従業員は2年間で16%削減することになる。GEはこれまでに、同部門で3000人を削減している。

 市場環境の変化を受け、同部門は縮小あるいは売却されると数年前から予想されていた。同部門の06年の売上高は約25億ドルで、GEの総売上高1630億ドルの2%弱を占めた。

 創業者トーマス・エジソンの名を広めたGEは、業界関係者によると照明関連製品メーカーとしては米国で優位にあり、オランダのフィリップス・エレクトロニクス(NYSE:PHG)、独シーメンス(NYSE:SI)傘下のオスラム・シルバニアをしのいでいる。

 GEコンシューマー・アンド・インダストリアルのジム・キャンベル最高経営責任者(CEO)兼社長は、「GEの白熱電球の売り上げはここ数年減少している。リストラによって、伝統的な製品における当社の足跡が減少していく」と語った。

 同氏によると、GEはこのリストラ計画の一環として、電球型蛍光灯(CFL)や、商業施設で使用するエネルギー効率の良い照明関連製品の生産を増やすという。GEはアモイ通士達照明との合弁事業の一部として、中国でCFL電球を生産している。

 キャンベル氏は1年以上前、「消費者はエネルギー効率の良い照明を求めており、照明事業は変化してきている」との認識を示していた。同氏によると、GEは今年、同社で長い歴史を持つもう1つの部門であるプラスチック部門を116億ドルという予想以上の金額で売却できたため、照明事業についても今、行動を起こしているのだという。

 全米電気・通信・機械工労組(UE)はGEの決定を批判している。UEのGE支部書記、スティーブン・トーメイ氏は「GEは同社工場の収益性と競争力を維持するために必要な投資をせず、その資金を、国内の工場労働者をさらに削減するために使おうとしている」と述べた。

 GEが4日発表したリストラ計画のうち、米国では従業員7000人のうち425人を削減し、照明関連製品の工場25カ所のうち6カ所を閉鎖するとした。削減する従業員の一部はほかの工場に異動する可能性があるとしている。リオデジャネイロでは900人を削減し、工場1カ所を閉鎖する。これにより、ブラジルの照明関連部門は閉鎖となる。GEは照明関連製品を、米国のほか、ハンガリー、メキシコ、中国など世界各地で生産している。過去1年では、英国、ブラジル、インドネシアで工場を閉鎖した。

米DJ記事一覧


Copyright (C) 2007 Dow Jones & Company Inc. All rights reserved.

国際 | 米国 | 欧州 | 中国特集 | アジア・他 | 英FT | 米DJ | 世界街めぐり