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試合前、大勢の報道陣の前であいさつを交わしたヤンキース・松井秀(左)とレッドソックス・松坂(右)、岡島
◆レッドソックス7―5ヤンキース(12日・フロリダ州フォートマイヤーズ) ヤンキース・松井秀喜外野手(32)とレッドソックス松坂大輔投手(26)が12日、メジャーの舞台で初対面を果たした。今年初となる伝統の一戦の前に実現した新旧怪物の再会を取材するため、日米合わせて180人もの報道陣が集結。徹夜組の観客も出るなど日本人フィーバーのなか、4番に入った松井秀は2安打を放ち、先輩の貫録を見せた。
レ軍がキャンプを張る「シティ・オブ・パームズ・パーク」にやってきた背番号「55」には、敵地をホームに変えてしまうようなパワーがあった。試合開始15分前、一塁側からグラウンドに飛び出してきた松井。「遅れてごめーん」甲高い声で笑顔を見せる男を、ホームプレート付近で直立で待っていたのは、今をときめくレ軍の宝、松坂と岡島だった。
球場に詰めかけた7882人の観衆が見守るなか、まるでセレモニーのようにセッティングされた3選手の再会だった。松坂が2度、岡島が3度、ぺこぺこと松井に頭を下げてあいさつする姿、そして松井が真ん中に立ち、交差する手でレ軍の2投手と握手する撮影会が披露された。その場の主役はライバルチームの主砲・マツイだった。
今オープン戦初のライバル対決は、松井と松坂、岡島の米国での初対面ということもあり、通常より60人多い日米合わせて約180人のメディアが集結した。そんな大注目の場で、メジャー5年目を迎えた男が、先輩としての意地を見せた。
3試合ぶりとなる安打は、第1打席でマークした。1死一、二塁の場面で、昨季も3打数ノーヒットで通算打率1割5分8厘どまり、苦手とするウェイクフィールドから、その宝刀・ナックルボールを打ち砕く中前安打。5回には、ドネリーの外角低めのシンカーを、右手一本で中前に叩き返した。
「(体勢を)崩されながらも芯で打った。シーズン中でも、あれはいい打撃」と自画自賛の一打で、4試合ぶりのマルチ安打をマーク。主役らしい活躍を見せた。
試合後には熱狂的ファンの見送りを受けた。その女性は「マツイさん、一番トモダチ! たぶん、死ぬよ。助けてください」とまで叫んで、サインをせがんだほど。「ここの人は、日本語うまいね」松井もさすがにたまげたが、なにしろ、どこでも主役の座を奪った。日本人選手のライバル対決は、まずはゴジラの“先勝”に終わった。
(2007年3月14日06時02分 スポーツ報知)
〔野球コラム〕