小諸市の宗教法人「紀元会」施設内で9月下旬、会員で同市荒町2のすし店経営奥野元子さん=当時(63)=が会員らの集団暴行で死亡したとされる事件で、傷害致死容疑で15日に逮捕された21人以外にも数人の会員の女が暴行にかかわっていた疑いが強まり、小諸署捜査本部は27日にも同容疑でこの会員らを事情聴取する方針を固めた。既に逮捕状を取っており、容疑が固まれば逮捕する方針だ。
事件は当初、奥野さんの同居家族4人がすし店内で集団暴行したとみられたが、その後、家族のうそと判明。会創始者の長女の窪田康子容疑者(49)ら会員の女21人が逮捕された。
捜査本部などによると、逮捕した会員らの一部供述などから、さらに7人前後の会員がかかわっており、30人以上で奥野さんを集団暴行していた疑いが強いことを突き止めた。
調べによると、会員たちは共謀し、9月24日午後11時半ごろから約1時間にわたって、同会施設内で、奥野さんの全身を多数回殴るけるなどし外傷性ショックで死亡させた疑い。
捜査本部は窪田容疑者らが中心になって集団暴行をあおったとみている。これに対し、紀元会側は、いさかいの場に居合わせた会員が自発的に加わって起きたとして、組織的な関与を否定している。
一方、小諸署が証拠隠滅容疑で5日に再逮捕した、奥野さんの二女森美智子容疑者(26)と、その夫の池勇治容疑者(30)について、長野地検は26日、犯人隠避罪に切り替えて長野地裁に起訴した。
地検によると、森ら2被告は、集団暴行に加わったほかの会員の女たちをかばうため、奥野さんの夫の和宏容疑者(35)=傷害致死罪で起訴済み、犯人隠避教唆容疑で再逮捕=の指示に従って、すし店内での事件を偽装した上、警察に虚偽の報告をした。