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国産リンゴ、目指せ世界一! 欧州向けに高級感アピール

10月22日12時51分配信 産経新聞


 「攻めの農政」の旗印のもと輸出攻勢をかけるメード・イン・ジャパンの食品。なかでも着実に成果を挙げているのがリンゴだ。現地産や他国からの輸入物より割高だが、高品質のイメージが定着し、アジアを中心に人気が高まっている。経済成長で富裕層が増えている中国やロシアといった新市場の開拓に向け、生産地の売り込み合戦も熱を帯びてきた。(海老沢類)
 ■9割超が台湾
 東京税関によると、昨年のリンゴ輸出額は56億9700万円。4年前の倍に達し、過去最高を更新した。
 輸出の9割以上は台湾向けだ。台湾の世界貿易機関(WTO)加盟による平成14年の輸入枠撤廃で日本産リンゴの輸入が急増。「ふじ」「陸奥」など、さまざまな品種が百貨店や高級スーパーの店頭をにぎわしている。
 「競合するアメリカ産や韓国産より価格は高いが、味や形の良さ、鮮やかな色が評価され、高級品というイメージが定着しつつある」と、輸出シェアトップを走る青森県の総合販売戦略課。旧正月の高級贈答品として購入されるケースが多いが、最近は一般家庭にも広がってきたという。
 台湾での成功を受け、国内の主要産地は販路開拓に本腰を入れている。
 青森県は今年2月、ドイツ・ベルリンで開かれた欧州最大規模の果実見本市に初めて参加した。絵文字を入れた「陸奥」や「王林」をブースに並べ、世界中から集まったバイヤーに味や色・形の良さをPR。問い合わせも多く、ロシア向けの商談が1件成立したという。
 「絵文字入りのリンゴ1個を1600円出してまでほしがる人がいた。ブースの周りはすごい人だかり…関心の高さを感じた」と、同行したJAつがる弘前の石郷岡喜代昭・りんご課長は手応えを語る。
 青森県総合販売戦略課は「酸味を好むと思っていたヨーロッパの人も、甘いリンゴを食べて『おいしい』といってくれた。高級なイメージを前面に出し、富裕層が増えているロシアや中国にも販路を広げていきたい」と意気込む。
 ■ブランドで勝負
 国内出荷シェア2位の長野県は台湾向けを中心に年間500トン前後を輸出。これまでは「ふじ」が大半だったが、昨年から独自に開発した「シナノゴールド」を香港に出荷している。「生産量が少ない品種だが、国内市場をみながら今後も輸出を増やしたい」(JA全農長野園芸販売課)という。
 高級ブランドとして知られる「無袋ふじ」を売り込むのは山形県朝日町だ。袋をかけずに太陽の光をたっぷり浴びて育った蜜入りリンゴは、甘みと酸味のバランスの良さが特長。平成16年から本格的に輸出を始め、昨年度は台湾とタイに計11トンを出荷した。将来的には80トン程度まで増やす計画という。
 ■国内消費は低迷
 昨年1年間に日本から海外に輸出された農林水産物の額は3739億円。アジア向けを中心に年々増えているものの、7兆円を超す輸入額の1割にも満たないのが実情だ。農林水産省は日本食ブームやアジア諸国の経済成長を追い風に、平成25年までに輸出額を1兆円規模に拡大する目標を設定。中国や香港の百貨店などに常設店舗を出して売り込みに力を入れる。
 ほかの果物との競合や若者の果物離れで、国内のリンゴ消費は低迷が続く。山形県朝日町の堀幸雄・産業振興課長は「価格の低迷や高齢化などで生産農家は徐々に減っている。海外輸出はリンゴ農家の意欲向上につながるはず」と輸出拡大に期待している。

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最終更新:10月22日12時51分

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