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2007年10月24日(水)

中央新幹線、南ア貫通ルートが浮上
リニア前提か、JR東海が地質調査

 JR東海などは二十三日までに、中央新幹線計画に絡み、県西部の南アルプス(赤石山脈)付近で地形・地質調査を行うことを決めた。南アルプスへのトンネル建設の可能性を探るのが目的とみられる。中央新幹線計画をめぐっては、JR東海がリニアモーターカー方式の導入を求めており、関係自治体でつくる「リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会」が諏訪付近回りのルートを提示している。JR東海などが南アルプス付近の地形・地質調査に乗り出すことについて、関係者間には「リニア中央新幹線」として南アルプスルートを探る動きとの見方が出ている。
 今回実施する地形・地質調査は全国新幹線鉄道整備法に基づき、国が一九七四年から毎年実施してきた調査の一環。国土交通省の指示を受け、JR東海が調査主体となって行う。長野県境の南アルプス付近を水平に掘削して地質などを調べ、南アルプスへのトンネル建設の可否などを検討するとみられる。
 中央新幹線(東京都−大阪市)は全国新幹線鉄道整備法の基本計画に位置付けられており、国は七四年から地形・地質調査を実施中。計画では、ルートは東京を起点とし、甲府市や名古屋市、奈良市付近を経て大阪市を終点とすると定められているが、具体的なルートは明らかにされていない。
 一方、JR東海は今年四月、二〇二五年に首都圏−中京圏で先行的にリニアの営業運転を始めることを表明している。
 リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会が作成した概略図では、中央リニア新幹線は山梨リニア実験線(上野原−笛吹市)を経て、甲府市西側を北上、諏訪市付近で南下し、伊那付近で西進して岐阜県に至るコース。長野県内でカーブを描くため、概略図通りに建設された場合、時間的なロスが指摘されていた。
 仮に南アルプスにトンネルを建設した場合、山梨リニア実験線から峡南地域を経て、長野県南部を通って岐阜県に至るルートが想定される。カーブ区間がなくなり、ほぼ直線に近いコースになることに加え、走行距離も短くなるため、建設促進期成同盟会が想定したルートよりも時間の短縮化が図られる可能性がある。



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